原発周辺の妊婦と子供は疎開すべきだ。

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文部科学省の測定によると、福島第一原発から20kmと少し離れた場所で、昨夜最大で0.33ミリシーベルト/時間の空間線量率を測定したという。(以後、mSvと表示する)

ニュースはこれに対して「3時間外出しても健康に影響はない」と付け加えることを忘れない。どうも報道に規制がかかっているようで、NHKの原子力担当の解説委員が健康への影響を話している最中にイヤフォンで指示があった様子で、言葉が詰まっている場面もあった。「健康への影響はない」とか「1年間の公衆の許容限度を3時間で受ける量であるが、直ちに影響が出るわけではない」とコメントするのは、「言葉のレトリック」ではないのか。

放射線・放射能の影響を考える場合の基本を平易にまとめておく。

  • 放射能と放射線の違いを理解すること。(例:ホタルとホタルの出す光)
  • 外部被ばく内部被ばくの違いに注意してニュースを見る。
  • 発表されている放射線の値は、電離放射線(エックス線・ガンマ線)による空間線量率である。内部被ばくについては口をつぐんでいる。
  • その場所にいた場合に、人体に対する外部放射線による外部被ばく線量は、空間線量率×時間である。
  • 空気中に放射能を持った死の灰が浮遊していて、それを肺などに取り込んだ場合は、内部被ばくとなるが、個の被ばく線量は推測でしか分からない。
  • 「健康に影響はない」というのは、外部放射線による外部被ばくだけを考慮しているのである。
  • 屋内に退避していても、木造家屋では電離放射線を遮蔽することは難しい。放射能を持った浮遊物を屋内に入れないことで被ばく量を減らすことを考えるべきである。
  • したがって、「数時間外出する程度なら問題のない放射線量」というのは、建物の中に放射性物質が侵入していないというかぎりにおいて言えることであるが、その保証はない。

放射線と放射能の違いは、よくホタルの例で説明される。ホタルが出す光が放射線であり、放射線を出す物質=ホタルが、放射能である。今回の事故は、かごに入っているべきホタル(放射能、核燃料)が外に大量に飛び出して、あちらこちらで光(放射線)をまき散らしている状態である。割合は少ないにしても、ホタルは屋内にも入ってきている。(こちらの資料

0.33mSv/hがどの程度の放射線量であるか、比較できるようにしてみた。

  • 放射線管理区域の境界では、1.3mSv/3月
    3ヶ月の累積線量で、1.3mSv以上は「管理区域」として放射線業務従事者以外は立ち入ることができない。(実際は内部被ばくのある場合など複雑だが、省略)
  • 許可事業所の境界では、0.25mSv/3月
    放射線を取り扱う事業所(福島原発も該当する)の境界における制限値。公衆の許容できる被ばく線量=1mSv/年に相当する値である。
  • 放射線業務従事者の被ばく限度、50mSv/年(ただし、5年間で100mSvを超えないことであるから、実質的に20mSv/年である)
  • 1回の緊急作業における放射線業務従事者の限度、100mSv
    これを今回は250mSvに引き上げると文部科学省は決定した。

0.33mSv/hという空間線量率は、わずか4時間で管理区域の境界線量を超え、その場所に2週間滞在すれば、緊急時の放射線業務従事者の限度である100mSvを超えてしまう被ばくとなる。これは屋内にいてもほぼ同じであろう。つまり、おそらくは、通常なら半径20~50kmの範囲を放射線管理区域としなければならないような線量になっているのである。すでにスリーマイル島原発事故のレベルを超えている事態である。

文部科学省は、避難所での線量率を測定して公表すべきである。「直ちに影響が出るという線量ではない」という枝野官房長官の説明は、間違いではないが、「後から発がんリスクの増加」として影響するという意味である。政府もマスコミも「内部被ばくによる発がんリスク」に口をつぐんでいる。

ただし、必要以上に怖れることも不要である。医療被ばくなら、

  • 胸部レントゲン撮影では、0.3mSv
  • 1回のPET検査では、5mSv
  • 1回のCT検査では、15~20mSv

である。問題は、今回の事故では連続して、妊婦・子供にかかわらず被ばくするということ。発がんリスクを今心配しても致し方あるまい。

政府はパニックを怖れて真実は小出しにする。本当の危険が迫ったときには脱出は不可能である。政府が避難勧告を出そうとしないのなら、妊婦、子供は直ちに、なるべく遠くに疎開すべきである。

首都圏にいる春休み中の学生は帰省した方が良い。


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