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放射能の拡散

●原子力安全委員会の斑目委員長が、本日の参議院予算委員会で「想定を超えたものだった。今後の原子力安全・規制行政を抜本的に見直さなければいけないと感じている」と語った。いまだに「想定外」と、自らの「想定能力のなさ=無能」に気付いていない。

●昨日のハイパーレスキュー隊の被ばく線量に対する私の記事に関して、いろいろとコメントをいただきました。追加で以下の事実のみをアップしておきます。(財)放射線影響協会の集計によれば、平成21年度の原子力関係に従事する放射線業務従事者の被ばく線量で、20~25mSv被ばくした従事者が7名います。過去8年間でも毎年1名以上がこの被ばく線量となっています。(放射線業務従事者の年齢別線量 [平成21年度])しかしこれがニュースになったことは一度もありません。

●福島原発の事故のみが大きく取り上げられていますが、東北電力女川原発でも津波に襲われています。女川原発周辺の環境放射線測定を行なっている重要な拠点である宮城県原子力センターは壊滅状態とのこと。職員2人と女性事務員2人が行方不明だそうです。隣の原子力保安検査官事務所兼原子力防災対策センターも同様で、所長さんは行方不明。防災対策センターが海抜2mの場所にあるというのは、津波のことはまったく想定しないで建てているのでしょう。「原子力は安全だ」と言ってきた手前、自分たちの建物だけを高いところに造るわけにはいかなかったのでしょうね。「安全神話」の犠牲者だとも言えます。

●3/19のこのブログで「半径100kmの県民を疎開させるべき」と書きました。唐突の印象を与えたかもしれませんが、私だけの考えではなさそうで、琉球新報が20日付社説で次のように書いています。全文を紹介します。

大震災・放射性物質拡散 「石棺」方式の決断検討を
2011年3月20日

 東日本大震災で事故を起こした東京電力福島第1原発で今、何が起きているのか。日本政府の説明では全容がつかめない。
 放射線量について「直ちに人体に影響を与えるレベルではない」と繰り返す。しかし実際に発表されている線量は、1時間当たりの瞬間的な数字だ。それを1年間浴び続けた量と比較して問題ない、と説明している。明らかにすり替えている。
 各国の対応は対照的だ。自国民を日本の退避圏より遠くに避難させた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、米原子力規制委員会の「非常に困難な」危機的状況との見方を伝え、解決に数週間かかる可能性があると報じている。
 炉心溶融や使用済み核燃料プールの水位低下などが連鎖的に発生し、国際評価尺度(INES)の暫定評価は、より深刻な「レベル5」に引き上げられた。
 米国はすでに横田基地に化学、生物、放射線、原子力に関するコントロールセンターを設置した。
 原発から放射性物質が拡散し続けている。この事実は重い。
 1都6県の水道水から微量の放射性ヨウ素が検出されている。
 福島県内の牛の原乳と茨城県のホウレンソウから食品衛生法の放射能の暫定基準を超える放射線量が検出された。厚生労働省は「仮に食べても直ちに健康被害の懸念はない」としている。冷静に対応してほしい。
 政府は放射線量のデータを含め直ちに正確な情報を国民に提供すべきだ。
 放射性物質は海外に拡散している。米国カリフォルニア州にごくわずかな放射性物質が観測された。欧州に到達する可能性もある。
 米紙USAトゥデーは専門家の話として、最悪の場合、使用済み燃料プールの水がなくなり燃料が発火。極めて強い放射性物質が80キロ以上遠方まで拡散する恐れがあると報じた。
 放射能の影響を受けやすい妊娠中の女性(胎児)や幼児、子どもたちは、万一に備えてできるだけ遠くに避難することを勧める。
 海水を注入した施設は廃炉が当然だし、現在の冷却作業の効果が限定的なら、これ以上の放射性物質の拡散を防がなくてはならない。旧ソ連のチェルノブイリ原発のように、原子炉をコンクリートで固めて放射性物質を封じ込める「石棺」方式も検討すべきときだ


本土の中央紙の「安全だ」報道と比較して、沖縄のマスコミの方が核心を突いています。「石棺方式」と県民の一斉避難も検討すべき時です。

文部科学省のホームページのトップに「全国の放射線モニタリング状況」が掲載されています。空間線量率の時系列データをグラフで表示しているので、現在の状況が非常に分かりやすく把握できます。茨城県(水戸市)のデータを見ると少し不安になります。
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「定時降下物の調査結果」では、3月20日のデータで、茨城県ひたちなか市(福島第一原発からの距離は122km)の土壌が異常な値を示しています。野菜から放射能が検出されているのですから、土壌が汚染されているのは当然ですが。

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ヨウ素131が93,000MBq(メガベクレル)/平行キロメートル、セシウム137が13,000MBq/平方キロメートルです。1㎡に換算すれば、それぞれ93,000Bq(ベクレル)と13,000Bqになります。チェルノブイリ原発事故後には広範囲の土壌がセシウム137で汚染されましたが、そのときの値は50万Bq/㎡と言われています。この土地に1年間住んでいれば、セシウム137からだけで1mSvの被ばく量になります。(その他の核種を加えれば10倍以上)それに比べれば、ひたちなか市の値は38分の1ですが、122kmの地点でこの値ですから、原発周辺では相当汚染されていることが予想されます。住民はもとの街に帰ることができるのでしょうか。

文部科学省が詳細航空サーベイなど、原発周辺の全域を測定する準備をしているようです。測定結果を待ちます。

今日は主として客観的データをアップしました。


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放射能の拡散” に対して1件のコメントがあります。

  1. 池上在住女性 より:

    こちらのブログをずっとサポートしているものです。
    原発関連のニュースを観ていて絶望的な気持ちになります。
    海も山も取り返しのつかない事態に向かって毎日進んでいるようです。
    目に見えない不安を少しでも和らげる為には。
    それは「問題ない」といい続けることではなく、正確な情報をリアルタイムで
    流す事だと思います。
    日本がこんなにも無責任な政府に取り仕切られているということを
    認識させられる毎日。
    やり場のない無力感と怒りにさいなまれています。
    こちらのブログを精神的な支えにしていますので
    どうか頑張って続けてください。

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