低線量リスクに関するいくつかの追加

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連休中は、新聞を読まない、ニュースを見ない、ネットサーフィンをしないというつもりで過ごしています。情報が多すぎる世の中、今回の震災でなおさら雑多な情報があふれているので、溺れてしまいそうです。インプットを減らして音楽を聴いたりチェロを存分に弾く時間を持てました。

明日まではこの調子で過ごすつもりでしたが、藤田さんという方からコメントをいただき、それに対してmasafumiさんからレスがされています。遅ればせながら少しはお応えすべきかと思って、連休中の自分への約束を中断して書いてみます。

コメントにはなるべく返信をするように心がけますが、すべてに返信するとお約束はできません。深刻な相談や疑問には、文章を考えるだけでも相当の負担になるので、申し訳ないですが返信しないことが多いと思います。たかだか数百文字で書かれたコメントから行間を読んで、その方の現状を推測して適切な回答をするなどという芸当は、私にはできそうもありません。ご理解していただければ幸いです。

したがって、藤田さんが放射線の影響に関してコメントに書かれたようなお考えをお持ちであることは了解しましたが、私としては「承りました」と言うだけです。「 貴殿のブログを拝見し、放射線の影響を理路整然と記述されているので」と書かれている割には、私のブログの内容はあまり読んでいないようにも見受けられます。低線量でのリスクに関しては、BEIR VII報告などを過去の記事で紹介している通りです。「ここが間違っているよと指摘があれば、具体的なデータをもってご指摘くだされば幸いです」とのコメントですが、申し訳ないですが、私にはそのような時間も義理もございません。ご容赦願います。ネットで検索すればたくさんヒットすると思います。masafumiさんのレスがほぼ私の考えに近いです。

以下は、藤田さんのコメントへの回答ではなく、低線量被ばくの影響に関して、追加的に記述したものです。

  1. ICRPは「しきい値仮説」を否定している。
    「生体防御機構は、低線量においてさえ、完全には効果的でないようなので、線量反応関係にしきい値を生じることはありそうにない」(ICRP 1990年勧告 日本アイソトープ協会発行 62ページ)
  2. 晩発的影響による発がん効果だけが注目されているが、放射線による影響には、加齢、白内障、中枢神経の異常、免疫系の抗炎症タンパク質の減少など、多岐にわたっている。発がんリスクはその一部にすぎない。
  3. Img 広島・長崎の原爆被爆者データでは、低線量になるにしたがって、単位線量あたりの危険度が高くなる傾向を示している。右図(馬淵晴彦「疫学に基づくリスク評価の立場から」『保健物理』第32巻第1号)
  4. 近年の研究により、バイスタンダー効果といわれる現象が注目されている。重イオンマイクロビーム放射線によって数個の細胞にだけ放射線を照射しても、その周囲の細胞が影響を受けることが発見されている。
  5. ゲノム不安定性と呼ばれる継世代影響がマウス実験によって確認されている。広島・長崎の被爆者に遺伝的影響がないとされているが、単にサンプル数が少ないだけだという批判がある。
  6. 保健物理学の創設者と言っても良いカール・Z・モーガン氏は、『原子力開発の光と影―核開発者からの証言』の中で、1979年の裁判(シルクウッド裁判)における証言で次のように述べている。

原子力開発の光と影―核開発者からの証言 私は、科学者がすべての放射線は有害であるという直線仮説を後日受け入れるようになったいきさつを話した。ハラルソン(原告弁護団の1人)は、私自身も直線仮説に同意しているかどうかを聞いた。私は、「さらにもう一歩進んだ」そして、非常に低線量では高線量よりも一レムあたりの癌の発生が多くなるという、超直線仮説を支持する「よい証拠」を持っていると答えた。私は、低線量は高線量よりも癌の発生が多いといっているのではなく、一レムあたりの癌発生が高線量よりも低線量の方が多いということを言っているのである。(194~195ページ)


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