関東の全域が放射線管理区域になる

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足柄の新茶の生葉がセシウムで汚染されていると書いたが、今日は、3月下旬に採取された東京都の下水の汚泥から放射性物質が検出されたと報じられた。

東京都江東区の下水処理施設「東部スラッジプラント」で3月下旬に採取された汚泥焼却灰から、1キロ当たり17万ベクレルの高濃度の放射性物質が検出されたことが13日、分かった。焼却灰は既にセメントなど建設資材に再利用されたという。

都下水道局によると、同時期に大田区と板橋区の下水処理施設2カ所でも、汚泥焼却灰から10万~14万ベクレルの放射性物質が検出された。物質が放射性セシウムかどうか特定を進めている。

都内23区全域が汚染されているとみてまちがいない。ベータ線しか計測していないので核種は特定できないようだが、ベータ崩壊するセシウムと考えてまちがいないと思われる。

文部科学省のWSPEEDI(世界版SPEEDI)による広域汚染マップがやっと公開された。ヨウ素131のシミュレーションだけであり、セシウムについては公表されていない。
こちらの、福島第1原子力発電所(特定条件 WSPEEDI)[平成23年3月25日(金曜日)]のPDF文書では、5月12日になって、3月25日までのものを公表するとはW-SLOWLYであるが、何はともあれこの3ページ目を見て欲しい。ヨウ素131の3月25日までの表面沈着量の積算値である。

WSPEEDIについて」では、

WSPEEDIは、これまでのSPEEDIの予測機能の強化に加え、国外で原子力事故が発生した場合の放射性物質による日本への影響を評価する機能や、放出源情報が不明な場合に国内のモニタリングデータから放出源や放出量を推定する機能を有しています。

すでにWSPEEDIは、様々な拡散実験などのデータによって検証されており、旧動燃(動力炉・核燃料開発事業団)の火災爆発事故(1997年3月)やJCOウラン加工工場臨界事故(1999年9月)の解析で実績を上げています。

SPEEDI-MPは、さまざまな環境問題に対応できる新しい環境中物質循環予測システムであり、2000年8月28日に起きた関東地方での異臭騒ぎでは、三宅島の火山性ガスの拡散プロセスをシミュレーション計算により解明しました。
そのほか、世界で初めて害虫(イネウンカ類)のアジア地域長距離移動を高精度に予測するシステムの開発を行い、日本のどの地域にいつウンカが飛来するかの予測が可能となりました。

と、その高性能・高精度ぶりを宣伝しているのだから、今回のシミュレーションだけが信頼性がないとは考えられないので、ほぼ確かなデータとして解釈しても良いと思われる。

同じ資料の2ページ目を見ると、福島県本宮市や茨城県高萩市あたりまでヨウ素131による幼児甲状腺等価線量が50-100ミリシーベルトという凄まじいレベルの汚染エリア(オレンジ色)、福島県福島市や宮城・茨城・千葉の一部に20ミリシーベルト以上の超高濃度汚染エリア(黄色)が広がっていることが分かる。黄色の部分は、先に発表された航空機モニタリングの結果とほぼ重なっているようだ。さらに航空機モニタリングでは対象範囲外だった茨城県にも相当深く入ってきていることが分かる。

東電が1号機はメルトダウンを起こしていたと認めたが、2,3号機もメルトダウンを起こしていると思われる。そしてその時期は3月11日の地震直後か、15、16日であろうと思われる。この時期にSPEEDIの結果を公表して、妊婦や幼児に用素材を飲用させておくべきだったのだ。

文部科学省がこれまで公表してきたヨウ素131とセシウム137の沈着量の比は、東京都が13倍、神奈川が11倍と相当のばらつきがあるが、これを12倍として(セシウムがヨウ素の1/12ということ)この比を用いて図からセシウム137の沈着積算量を予測すると、東京・神奈川・静岡などに広がっている緑色のエリアでにおけるセシウム137の沈着量積算値は8.3~83kBq/m2となる。

5月11日の記事で

  1. 汚染地域:1Ci/km2=37kBq/m2 以上と定義
  2. 放射線管理が必要:1~5=37~185kBq/m2(下図のピンク)
  3. 希望者は移住が認められる:5~15:185~555kBq/m2(赤)
  4. 強制移住:15~40=555~1480kBq/m2(紫)
  5. 強制避難:40=1480kBq/m2 以上 (紫)

と紹介したが、このチェルノブイリでの規制を当てはめれば、これらのエリア、東京・神奈川は「放射線管理が必要な区域」となる可能性がある。日本の法令においても、「放射線を放出する同位元素の数量等を定める件」の第4条(管理区域に係る線量等)において、表面密度限度の10分の1以上の汚染のある区域を管理区域として設定しなくてはならない(別表第四による)。そしてセシウム137などのアルファ線を放出しない核種では、4Bq/cm2=40kBq/m2となる場所は放射線管理区域としなければならないのであり、東京・神奈川などの相当の範囲がそれに該当する可能性が高い。

つまり、新茶が汚染されたとか、汚泥から高濃度のセシウムが検出されたというのは、あたりまえであり、放射線管理区域とすべき中なのだから、本来ならばニュースになるようなことではないのである。

将来相当数の甲状腺がんを持った子供が出てくるに違いない。脅かすのではないが、ECRR(放射線リスク欧州委員会)の科学委員長クリス・バスビー 教授が、福島原発事故に放射性降下物汚染地域で予測されるがん発症率を計算している。

それによると、福島第一原発から100km地域の人口330万人の中で、今後10年間で事故前よりも66%のがん発症率の増加が予測される。これは2012年から2021年の間に福島原発による曝露で103,329件の余分ながんが発症することを意味する。福島原発から200kmと100kmの間のドーナツ地帯の人口780万人に、100km以内より低い放射能量で”トンデル”法を適用すると、2021年までに120,894件の余分ながんが発症することになる。住民がそこに住み続け避難しないと仮定するなら、”トンデル”法によるがん発症件数の合計は10年間で224,223件となる。

これはICRPモデルで計算した6200人のがん発症とは比較できないほどの大きい数字である。なぜICRPとこんなにも違うのか?いわゆるメディアに出てくる専門家は、ICRPモデルのがん発症率を示して「心配するほどではない」というのだが、それは本当に信頼できるのか。そのことに関しては次回あたりに書く(予定)。


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