スポンサーリンク

除染しないで放っておいても2年で6割に減る

LINEで送る
Pocket

環境省が先月、福島原発事故に伴う放射性物質の除染に関する基本方針案と関係省令案をまとめた。それによると、

年間被ばく線量1mSv以上の地域を除染対象に指定。20mSv未満の地域は2013年8月末までに一般の人の被ばく線量を半減、子どもは学校などの優先除染で60%減を目指すほか、20mSv以上の地域の段階的縮小も目標としました。

とのことです。

結論から言えば、この目標は何もしなくても達成できます。現在土壌に沈着しているのは、Cs-134とCs-137がほぼ同じ量で半々です。しかし、空間線量への寄与を考えると、Cs-134はCs-137の2.5倍ほどの線量率を与えるのです。沈着量から空間線量率への換算係数で比較すると、Cs-134の5.4E-6、Cs-137で2.1E-6です。単位は(mSv/h)/(kBq/㎡)

Cs-134が2年、137が30年という半減期を合わせて考えると、下の図のようになります。

つまり、半減期が2年と短いCs-134の線量率効果が大きいから、最初の時期は急激に空間線量率が下がっていきます。810日(2年と3ヶ月)で最初の60%に、1170日(3年2ヶ月)で50%になります。環境省が目標としている2013年8月ころには、何も除染をしなくても60%程度に減衰しているのです。

Jyosen

もちろん、ホット・スポットや山林からの移動もあるでしょう。部分的に高線量の場所を除染することは必要です。何もしなくても60%になる程度の除染目標を設定したということは、政府は除染の効果には期待していないのです。それにも関わらず、何兆円もの費用を掛けてるのは税金のムダ遣いでしかない。

除染の効果がこの程度だとして、つまり環境省が除染効果はないし、やる気もないと考えているとして累積線量はどうなるか。減衰を考慮して計算した結果が下の表です。2年で60%、3年で50%の目標通りに除染できた地域に住み続けたときの累積線量だと考えても良い。もちろんどこかで別の原発が事故を起こすことは考えていない。東電の発表では100年に1度は今回のような事故の確率となるのだが・・・・。

Ws0052

0.5μSv/h以下の地域では、100年住んでいても100mSvを超えない。しかし、1.0μSv/hの地域では25年でほぼ100mSvになる。つまり政府や山下俊一氏が言う「100mSv以下なら影響がない」レベルを、外部被ばくだけで超えてしまう。文科省の汚染マップなら緑色の地域とそれ以上の地域であり、福島市なども含まれる。

Ws0053_2

こんな面積を、恒久的な除染をするなんて無理だよ。現在行っているホットスポットなどの緊急的除染と恒久的除染を混同してはいないか。除染すればさも元の土地で暮らせるかのように、偽りの希望を持たせている。緊急時避難準備区域を解除されて自宅に帰っている住民がいる。狂気の沙汰で、旧ソ連の政府ですらやらなかったことだ。

それならば、せめて内部被ばくを減らす工夫をすればよい。「緊急時における食品の放射能汚染測定マニュアル」には次のように書かれている(10,12ページ)。

分析目標レベルは、第2段階モニタリングにおいて事故後1ヶ月以降1 年間での食物摂取による被ばくを実効線量で1mSv/年とする。これを放射性セシウムについて、牛乳・乳製品、野菜類、穀類及び肉・卵・魚・その他の4 食品群にそれぞれ0.1 mSv/年を割り当てると、各食品群のCs-137 濃度はそれぞれ20、50、50、50(Bq/kg,L)以上となる。

Cs-137で50Bq/kg、Cs-134との合計なら100Bq/kgで1mSv/年となる。私の「被曝リスク計算プログラム」でも同じ結果になった。

Ws0054 だったら、暫定規制値500Bq/kgを多くても100Bq/kgにすればよい。食品の実測値が50Bq/kg程度というのであるなら、50にすれば、住民の安心につながるだろう。「生涯で100mSv」などという、食品安全委員会のあやふやな答申なんぞは撤回して、全ての食品で50Bq/kgとすべきであろう。


がんと闘う多くの仲間がいます。応援のクリックをお願いします。

にほんブログ村 病気ブログ すい臓がんへ
にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


スポンサーリンク

このブログの関連記事

  • タイムドメインスピーカー Jupity301タイムドメインスピーカー Jupity301 由井啓之氏の提唱する「タイムドメイン理論」に基づいて設計された「BauXar ボザール […]
  • キーボードの分解掃除キーボードの分解掃除 今日は思いついてキーボードの分解掃除をしました。毎日使っているキーボード、弘法も筆を選びます。なんやかんやと一日に1万字くらいは打っているのではないでしょうか。 私の使っている […]
  • マインドフルネスとタオ 『マインドフルネスストレス低減法』の冒頭にある「日本の読者の皆さんへ」で、カバットジンは、鈴木大拙によって日本の禅を知り、道元の思想に影響を受けていると書いています。もちろん25 […]
  • パープルストライド 2017 (ガイドラインでは膵臓がんは治らない話)パープルストライド 2017 (ガイドラインでは膵臓がんは治らない話) 日比谷公園も幾らかは紅葉していました。まもなく本格的な紅葉が始まります。 トランプの来日で厳戒の警備体制で、どこもたくさんの警官がいます。晴天で少し風があるが暖かい […]
  • 直腸がんの検査を受けました直腸がんの検査を受けました 10年前に手術をした直腸がんで、毎年術後の定期検査を受けていたのですが、2年前の検査は膵臓がんになり入院していたため受けることができませんでした。予後の悪い膵臓がんになった時点で […]
  • パナマ文書の技術的側面パナマ文書の技術的側面 今朝はパナマ文書のニュースがトップになっていました。 国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)のサイトで一部が公開されましたが、日本関連では設立された24の法人の […]
  • 今日の一冊(9)『がんを生きよう』今日の一冊(9)『がんを生きよう』     この本は"絶対"のお勧めです。 久留米大学がんワクチンセンター長の伊東恭悟先生が、最近上梓された『がんを生き […]
  • ビタミンDで2型糖尿病患者の血糖値が改善ビタミンDで2型糖尿病患者の血糖値が改善 ビタミンDの抗がん作用については、このブログでも何度も取りあげていますが、2型糖尿病の血糖値管理にも有効なようです。 血糖値とインスリン抵抗性が改善 2型糖尿病患者へのビ […]
LINEで送る
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です