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放射能汚染された山や川や魚は、私たちが生きている間はもとには戻らない。

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久しぶりの原発ネタです。もちろん忘れていたわけではありません。書きたいことも書かねばならないこともたくさんあるのですが、追いつきません。

釣りファン向けの雑誌「フライの雑誌社」のサイトにある「あさ川日記」に、関東地区のヤマメ・イワナの放射能汚染が下がらないと書かれています。私も東京のみずがめである群馬、奥多摩の山間地の汚染が気になっていましたが、多摩川も丹沢水系もセシウムによる汚染が続いています。あさ川日記の2月26日の記事を紹介すると、

渓流魚の放射能汚染を釣り人としてどう受け止めるかについて編集部の考え方

(各県の汚染度が書かれているが、群馬、東京、神奈川だけを転載する)

群馬県 2/27発表
桜川 ヤマメ 299ベクレル/kg
沼尾川 伊香保町 ヤマメ 336ベクレル/kg
烏川 イワナ 166ベクレル/kg
薄根川 ヤマメ 257ベクレル/kg
※群馬県の対応
_______ 
東京都 2/23発表
多摩川水系秋川 あきる野市 ヤマメ 81ベクレル/kg
_______ 
神奈川県 2/21発表
相模川水系本谷川 清川村 ヤマメ 33ベクレル/kg
酒匂川水系狩川 南足柄市 ヤマメ 27ベクレル/kg
酒匂川水系皆瀬川 山北町 ヤマメ 37ベクレル/kg
_______ 

釣り人がいくら腕をみがいて、道具にこだわって、ムシを勉強したところで、釣り場がなくなったらどうしようもない。メーカーはスクールやって、新しい道具を作って売ったところで、どこでなにを釣ればいい。地元観光業者があの手この手でがんばって釣り人を集めても、放射能で全てがおしゃかになる。イワナやヤマメを増やそうと努力してきた水産研究者も、なんのために増やすのか分からない。気持ちのいい釣り場作りに携わってきた釣り人たちも同様。川から子どもたちの歓声が聞こえない。

放射能は差別しない。しかもまだ出てる。

河川がいったん放射能汚染されたら、20年以上たっても魚の汚染は消えない。それはチェルノブイリ事故で明らかだ。かといって河川や山を除染するのは不可能だ。きわめて残念なことだけれど、福島第一原子力発電所の事故で放射能汚染された山や川、そしてそこに棲んでいる魚たちは、ぼくたちが生きている間はもとには戻らない。

だから、せめて、もうこれ以上の放射能汚染を引き起こすような原発はやめましょう、という結論になる。ごく単純な理屈だ。そもそも原発が出す核のゴミ捨て場さえ決まっていないのだ。「リリースなら釣らせてくれてもいいんじゃないか」と喧伝するひとは、こういうことになった根本要因を見つめなおさないと、本当に釣り場がなくなる。根っこを見つめてこなかったら、こうなった。私たちの代で日本の釣り場をなくしてしまっていいはずがない。

チェルノブイリ事故および、世界各国の原子力施設による淡水魚の放射能汚染のデータは、たくさん残されている。対して、日本ではほとんど研究されてこなかった。そこで世界の淡水魚汚染のデータを読み解いて、日本の淡水魚の現状を知り、未来を予測する。

フライの雑誌社では近く、日本と世界の淡水魚と放射能汚染について考察した、水口憲哉氏の書き下ろし新刊を発行する。

東京都の水道水はまだ大丈夫のようですが、NDではあっても3.11以前に比較すれば数十倍の汚染度にはなっているはずです。

1000年に一度とか、原因は津波か地震かとか、マークⅠ型でなければ起きなかったとか、あれこれ理屈を並べ立てなくても、子どものような素直な目で見て考えれば、「これ以上山や川、国土を汚染する原発は止めよう」となる。確率は小さくても事故は必ず起きる。原発だって飛行機だって同じだ。原発事故と航空機事故が違うのは、原発事故は、自然と”多数の”人間に、何世代にわたって回復不可能で深刻な影響を与えるという点だ。電気が足りるか足りないかなど枝葉末節な話なのだ。

これからどうなる海と大地―海の放射能に立ち向かう
放射能がクラゲとやってくる―放射能を海に捨てるってほんと?
海と魚と原子力発電所―漁民の海・科学者の海 (人間選書)


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