医療の現場 膵臓がん:手術をあきらめない

鳥越俊太郎の「医療の現場」シリーズ「がんと闘う」第2弾 すい臓がん~手術をあきらめない~。昨日の放送を見ました。千葉大学医学部附属病院院長 宮崎勝先生の「抗がん剤でダウンステージさせて手術可能にもっていく」がメインの番組でした。

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どの抗がん剤を使ったのか、番組では説明がありませんでしたが、保険適用ならジェムザールとTS-1でしょう。ASCO 2010ではジェムザールとNab-paclitaxel(アブラキサン)が、23%の患者にダウンステージ効果があり、手術可能となったと報告されていました。(鳥越俊太郎のように、今更驚くような話題ではないのです)

腫瘍が膵臓の局所に留まっている場合ならば、これもひとつの選択肢です。しかし遠隔転移があると、抗がん剤しか適用はありません。この方法で膵頭十二指腸切除術がうまくいっても、ほとんどの患者が再発すると、宮崎医師も説明していました。

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番組に取り上げられたのは術前化学療法ですが、大阪府立成人病センターでは術前化学放射線療法を行っています。5年生存率は50%というすばらしいものです。

これらの方法に関して、膵がん診療ガイドライン 2009年版によれば、術前化学療法及び化学放射線療法が真に長期遠隔成績を向上させるかどうかは不明であり、今後の研究が待たれるとしています。推奨グレードもC1(科学的根拠はないが、行うよう勧められる)と説明されています。

CQ5-1 膵癌に対する術前治療(①化学放射線療法および,②化学療法)は推奨されるか?

術前治療(①化学放射線療法および,②化学療法)の有用性を支持する論文が増加傾向にある。しかし,これが長期遠隔成績を向上させるか否かについては,今後の臨床試験や研究の蓄積によって明らかにされるべきである(グレードC1)。

この方法は、膵がんの局所再発の場合にも適用できる可能性があると言っていましたね。確かに膵臓がん患者にとっては「手術できる」ことは大きな希望であり、チャンスには違いありません。しかし、合併症の増加もあり得るというリスクも考慮しなくてはならないでしょう。良いことばかりでバラ色とは、簡単にはならないようです。

手術で腫瘍を取りきった場合でも、膵臓がん細胞は必ずどこかに残っていると考えるべきです。だから生前率が低いのです。現代医療に希望をたくしながらも、「がんを育てない」体内環境を作るのは患者の仕事です。これは医者にはできません。

現代医療を信頼しつつ、自分でできる「統合医療」でがんと立ち向かう。これが膵臓がんから生き残る可能性のある、唯一の方法です。


明日の午前1時から、紅葉の撮影ドライブの予定。3年連続で行く渋峠と松川渓谷、それに北アルプスの栂池高原、晴れてくれれば良いが、気温は低くなりそうだ。今回も強行軍で日帰りの予定。


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医療の現場 膵臓がん:手術をあきらめない” に対して5件のコメントがあります。

  1. ヤシロ より:

    自分が膵臓癌にかかって5年後生存率が50%の治療方法があると知ったら、絶対それを選びますが。
    生存率と言う結論が出ているのにどうしてその治療方法を取り入れないんでしょうかね?
    他人任せにしない、自分を大切にするというごくごく当たり前のことが「総合医療」なんだと思います。

  2. キノシタ より:

    サイトウさん。情報ありがとうございます。
    アスピリンに関してはこちらなどを情報収集しております。
    http://bit.ly/Rcukm2

  3. サイトウ より:

    アスピリンと腺癌の転移
    http://wellfrog4.exblog.jp/17778089/
    すでにご存知とは思いますが・・・

  4. キノシタ より:

    mokuさん。昨夜22時に無事に帰ってきました。栂池高原は少し紅葉のピークは過ぎていましたが、充分きれいでした。おかげで自然治癒力をめいっぱい補充してきました。
    >ビタミンCをたくさん摂ることを言われます。
    「ビタミンCが不足していると膵臓がんの発症リスクが高くなる」という研究結果があるためでしょう。
    http://bit.ly/ODNaEc

  5. moku より:

    弾丸ツァーですね! 秋の栂池いいですねー。
    お元気になられほっとしてます。
    がんを育てない身体。
    わたしは大阪成人病センターの石川先生の患者ですが、
    ビタミンCをたくさん摂ることを言われます。
    フレッシュな山の幸と空気をたっぷりと。。

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