事故が大きければ、政府は決して真実を知らせない(2)

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【日 時】2019年6月22日(土) 13:10~16:30(開場・受付:12:50ごろ)
【場 所】JR京浜東北根岸線 大森駅東口から徒歩4分 Luz大森4階 入新井集会室
【参加資格】膵臓がん患者とその家族、遺族
【参 加 費】1,000円(会場使用料及び資料代、講師謝礼)
【定 員】 90名
【内 容】
●講演:がんと心の関係~サイモントン療法による癒やし~
川畑のぶこ氏(NPO法人 サイモントン療法協会)によるサイモントン療法とマインドフルネスの講演およびエクササイズ
●患者さんどうしの情報交換~フリートーキング

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6月19日10:00AMまで参加申込み受付中です。
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原発事故と科学的方法 (岩波科学ライブラリー)原発事故と科学的方法』は、牧野淳一郎さんの労作です。福島原発が事故を起こした3.11後、正確には記憶していませんが、私は牧野さんのWeb日記(リンク先は2011年3月の日記)に度々アクセスしていました。

私の当時のブログをふりかえってみると、3月14日には「3号機はプルサーマルだ。現状では危険ではないが、格納容器が破損しないように、万全の対応を祈るしかない。」と書き、『大事故は常に「想定外」の偶然が積み重なって起きるものであり、今回の事故そのものがいくつもの「想定外」の連続ではないのか。起きる可能性のあるものは、必ず起きるのである。』と書いています。

翌日の15日には『政府は、妊婦と乳幼児を直ちに避難させよ!』のタイトルで、『原発事故…その時、あなたは!』より東京に風が吹くという仮定での最悪のシミュレーション図を載せています。これは熊取六人衆と言われた中のひとり、瀬尾健さんが生前に計算したものでした。最悪の場合には東日本には人が住めなくなる、というシミュレーション結果です。

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翌16日には「妊婦、子供は直ちに、なるべく遠くに疎開すべきである。首都圏にいる春休み中の学生は帰省した方が良い」と呼びかけたのです。18日のブログでは、SPEEDIの存在を知っていた私は、その情報がなぜ出てこないのか? とやきもきして書いています。まさか政府が意図的に隠しているとは思っていませんでした。

牧野さんも、3.11直後から日記に記していますが、原子力に関する専門的知識がなくても高等学校の基礎物理程度の知識があれば、今回の事故の規模を見積もることができたと言います。そして、3月16日の段階でチェルノブイリと同等のレベル7の事故であろうと推測しています。

平成18年衆議院での共産党の吉井英勝議員は質問趣意書で、原発の全電源喪失事故の可能性について質問したのに対して、政府は「我が国において、必要な電源が確保できずに冷却機能が失われた辞令はない。したがって、そうしたことを想定した評価は行っていない」という主旨の答弁を行っています。

しかし、牧野さんが指摘するように、原子力安全基盤機構(JNES)は『地震時レベル2PSAの解析(BWR)』の報告書において、全電源喪失事故による炉心損傷をシミュレーションしているのです。

TBU(電源喪失)の事象では、地震によって電源喪失になり、高圧注水系による原子炉注水に失敗する。そのため炉心冷却手段が確保できず、約1.7時間後に燃料落下開始、約3.6時間後に原子炉圧力容器破損、約6.9時間後に格納容器の過圧破損となる結果が得られた。

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ここでも「ウソ」の答弁をしているのです。福島第一原発では、それほど高くない津波でも冷却機能喪失が起きることが分かっていました。そして短時間でメルトダウンに至り、大量の放射性物質が環境に放出されることもシミュレーションで分かっていました。実際に事故が起きたときも、SPEEDIによって飯舘村方向が汚染されることも分かっていたが、住民に知らせることはしなかった。


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事故の規模を小さく見せよう、事故の影響も小さく見せたいというバイアスが絶えず働いているのです。では他の原発の安全性についても、そうしたバイアスが働いているはずではないか、事故の影響、放射線による人体への影響に関しても、政府や福島県の発表をそのまま信じることは、これまでの経験からすると非常に危ないことなのです。

原発事故については、過小評価が続いた歴史でした。原発が事故を起こす確率は、ヤンキースタジアムに隕石が落ちる確率程度だという過小評価から始まって、スリーマイル島事故では原子炉炉の形式が違うから、チェルノブイリ原発の事故が起きても、旧ソ連の黒鉛炉で管理もずさんだったからで、日本では起きるはずがないとされてきました。

起きる可能性のあるものは、必ず起きるのです。『原発ホワイトアウト』のように、テロもあり得るし、NHKスペシャル「原発テロ」で放映されたように、送電線鉄塔が爆破され、それが豪雪と重なれば・・・・。何が起きるか、全てに対応することは不可能でしょう。

被ばくの影響についても、チェルノブイリに関するUNSCEAR 2000レポートが言っているのは、

  • 汚染地域ではさまざまな病気が増えている。
  • しかし、広島・長崎の調査結果と比較したら多すぎる
  • だから、これは被曝による影響ではなく、ストレス・喫煙・飲酒などによるものだ

科学的思考とはまったく相容れないものです。福島原発事故による被ばくの影響に関して、UNSCEARがレポートを準備していますが、おなじ考え方がベースになっているのです。

北海道がんセンター名誉院長の西尾正道先生の最新のレポート『低線量放射線被ばく―福島の子どもの甲状腺を含む健康影響について」(2)』には、チェルノブイリでの小児甲状腺がん以外の深刻な病気について分析されています。

政府や専門家の評価が過小評価になりがちだとしたら、我々はどのように考えれば良いか。牧野さんは工学で使われている「安全率」の考え方をすれば良いと提案しています。飛行機でも自動車でも、設計荷重に全てが耐えられるわけではありません。ぎりぎりに設計しておけば、何かあったときに壊れる。したがって、3倍とかの安全率を掛けて作るのです。当然コストは掛かります。

100mSvの被曝で癌による死亡が5%増加するのなら、安全率を10として、10mSvでもこどもは数%のがんが増えると考えておくのです。食べ物も、政府が言う100Bq/kgの基準値に対して、安全率を10として、10Bq/kgを考えて判断するのです。

すでにこの国の全土が汚染されているのですから、放射能がゼロの食べ物はありません。10Bq/kgや10mSvが大きいか小さいかは、それぞれの人の価値判断によるしかありませんが、専門家の主張が極端に異なる現在、内部被曝について明確な科学的合意がない状態では、安全率を掛けて判断することが、賢明な行動につながるはずだと思います。


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