老化とがん

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【日 時】2019年10月13日(日) 13:10~16:30(開場・受付:12:50ごろ)
【場 所】JR京浜東北根岸線 大森駅東口から徒歩4分 Luz大森4階 入新井集会室
【参加資格】膵臓がん患者とその家族、遺族
【参 加 費】1,000円(会場使用料及び資料代、講師謝礼)
【定 員】 130名
【内 容】
●講演:佐藤典宏先生「膵臓がんの標準治療と代替医療~外科医の立場から~」(仮)
●患者さんどうしの情報交換会~フリートーキング

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キーワードは「エピジェネティクス」

3月に放送されたNHKスペシャル『人体 ミクロの大冒険』が書籍で出版されました。製作の裏話や放送できなかったことなども紹介されており、興味深い内容です。3回にわたっての放映ですが、この番組に隠されたメッセージは「エピジェネティクス」です。

がん細胞も含めて、細胞の働きは遺伝子だけで決まるのではなくて、どの遺伝子がいつ発現するかを決定しているのは、遺伝子を包むように覆っている分子と他の細胞との相互作用、周囲の環境が影響しているという。

がん細胞はまわりの細胞の遺伝子を操作して(つまりはエピジェネティクス!)、自分に都合のよいような環境を作り上げていきます。酸素が足りなければ新しい血管を作るように周囲の細胞を変えてしまうのです。

老化とがんの関わりも次第に明らかになってきている。私たちの身体では毎日5000個もの細胞に遺伝子の異常が生じているそうです。しかし、その異常の程度はピンからキリまであり、放っておけば確実にがん化するものから、それほどでもないものまであります。

それらの全てに免疫を総動員して破壊してしまうことは、多くのエネルギーを費やします。そもそも細胞にとっては、繁殖期を終わった個体の寿命などには関心がないようです。だから、戦略としてそれほど危険がない遺伝子の異常を持った細胞には、生かさず殺さず、そこに居座っていただく。

「老化」とはがん対策の戦略上の当然の帰結

これにもエピジェネティクスが関わっています。その細胞の遺伝子の発現を抑えて、いわば昏睡状態にしてしまうわけです。

こうした細胞がどんどん増えることが細胞レベルから見た「老化」だというわけです。「老化」とはがん対策の戦略上の当然の帰結なわけです。

免疫の司令塔であるT細胞は、骨髄で生産されて胸腺に送られて、自己には反応せず他者にのみ攻撃をするように教育されます。ところが繁殖年齢を過ぎるころ、20歳台以降には胸腺がどんどん脂肪に置き換えられて小さくなります。私の年齢、60歳を過ぎるとほとんどなくなってしまいます。ということは、T細胞を教育することができない。これまでに作られたT細胞だけでがんと闘う必要があるのです。さらにがん細胞は、T細胞の遺伝子に働きかけて不活発にしてしまいます(これもエピジェネティクスです)。結局5%ほどのT細胞しか、がんとの戦闘に参加できません。これが年齢とともにどんどん少なくなります。

今残されているT細胞を、如何に上手に活かしてがんと闘わせるか。食べ物やサプリメントで免疫力が上がる、といってもなかなか難しいことが分かります。がんペプチドワクチンもT細胞を増やすわけではないです。


がんと闘う多くの仲間がいます。

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老化とがん” に対して1件のコメントがあります。

  1. キノシタ より:

    ルバーブさん。情報ありがとうございます。
    まだ第1相試験ですが、メラノーマとしてすばらしい成績ですね。
    肺に転移していても、元気でガーデニングができるほどにまで改善しているのですから。
    たぶん他のがんにも効果がありそうです。
    がん細胞がT細胞を邪魔するのを妨げることができるとしたら、画期的ですね。
    一方で京都大学の研究では、がん細胞からの攻撃から逃れることのできたT細胞を培養して増やし、体内に戻す実験を始めているそうです。まだマウスレベルの実験ですが、こちらも期待できます。

  2. ルバーブ より:

    がんとT細胞がくっついてT細胞が働かなくなるらしいのですが、くっつくのを阻害するお薬ができたそうです。今の所メラノーマの患者さんへのトライアルですが、NZのニュースでは他のがんにも応用できるような話を放送していました。イギリスの研究。
    下記はBBCの報道です。よろしかったらご覧下さい。
    http://www.bbc.com/news/health-27674658

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