『患者さんのための膵がん診療ガイドラインの解説』


Pocket
LINEで送る

改訂版が出たので、リンクを変更しました。

このたび膵癌診療ガイドライン改訂委員会では、膵癌診療ガイドライン2013の市民向け解説書として『患者さんのための膵がん診療ガイドラインの解説』を2015年6月25日に金原出版(株)より発刊しました。

膵がんの患者さんやそのご家族が、いま知りたい病気・治療の知識について、正しい情報を得るための一冊。最新の医師用ガイドラインをもとに25のQ&Aを設け、わかりやすく解説した。難治がんといわれることの多い膵がんだが、近年は研究が進み、新たな化学療法が登場するなど、さまざまな治療のアプローチが可能となっている。本書でご自分の病気や治療法をよく理解し、主治医と共に病気に立ち向かうための武器としていただきたい。

はじめに
厚生労働省の平成25年度人口動態統計では、わが国の膵がん死亡数がついに3万人を超えたと報告されました。悪性新生物による死亡順位も肝がんを抜き、肺がん、胃がん、結腸がんに次いで第4位になっています。膵がんは高齢化によって近年急速に増加していますが、死亡率は年齢を調整しても上昇しています。また膵がんは、診断時には膵臓を越えて周りの臓器に広がっていたり、遠くの臓器にも転移していることが多く、極めて悪性度の高いがんです。その克服は医学上も、今世紀の大きな課題の一つにあげられます。

膵がんの早期診断は難しく、外科手術で完全に切除できる例は少ないため、周りの臓器に広がった膵がんや外科手術で切除しきれなかった膵がんに対する治療法の開発が求められています。抗がん剤を用いた化学療法としては、1997年にゲムシタビンの膵がんに対する有効性が示されました。その後、ゲムシタビンとエルロチニブの併用療法、さらに内服薬であるS- 1(エスワン)の有効性が示されました。最近は、複数の抗がん剤を組み合わせたFOLFIRINOX(フォルフィリノックス)療法やゲムシタビンとナブパクリタキセル併用療法の有効性が明らかにされています。放射線照射法の改善、また化学療法や放射線療法によってがんを小さくしてから外科手術を行う補助療法の効果も期待されています。

このように、難治がんである膵がんに対する治療も近年はさまざまなアプローチが可能となり、治療の選択肢が増えました。しかし、これらの治療法は開発されてから歴史が浅く、いまだに研究段階のものや、有効性について検証段階のものもあります。日本膵臓学会は、わが国における膵がん診療の向上と均質化、最新情報の提供を目的として、2006年に医師向けの「科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン」を刊行しました。その後、膵がん診療の急速な進歩により、2009 年と2013 年に改訂が行われています。

このように膵がん診療はいまだに発展途上にあり、診療にあたっては患者さんやご家族の理解と協力が極めて重要です。膵がんの手術は難度の高い外科手技であり、抗がん剤を用いた化学療法の多くは強い副作用を伴います。本書は、膵がんに不安をおもちの方、膵がんの治療を受けられる患者さんやご家族の皆様に役立つことを願って作成された解説書です。患者さんやご家族が最も知りたいと思われる25の質問を設定し、それぞれの質問にできるだけわかりやすく、かつ、最新の信頼できる情報に基づいて解説しました。

最後になりますが、膵がん診療における患者さんとご家族の理解の重要性を強く感じ、本書の作成にご尽力されました作成委員長の山口幸二先生、副委員長の奥坂拓志先生、そして作成委員の皆様のご努力に心より敬意を表します。

2015 年5 月                               日本膵臓学会理事長  下瀬川 徹

【目次】
■膵がんとは/科学的根拠(エビデンス)に基づく診療ガイドラインとは
Q 1 膵臓はどこにあるのですか? どんな働きをしているのでしょうか?
Q 2 膵がんとはどのような病気なのでしょうか? 教えてください。
Q 3 なぜ膵がんになったのでしょうか?
Q 4 科学的根拠(エビデンス)に基づく診療ガイドラインとはどういう意味ですか?
Q 5 臨床試験はどうして必要なのですか?
■膵がんの診断法
Q 6 膵がんになるとどのような症状が出るのでしょうか?
Q 7 膵がんの診断や検査方法について教えてください。
Q 8 膵がんの病期とは何ですか? どのようにして決めるのですか?
Q 9 最近、ボ-ダ-ライン膵がん(Borderline resectable膵がん)という言葉を聞きますが、これは何でしょうか?
Q10 早期に膵がんを診断するためにはどうしたらよいですか?教えてください。
■膵がんの治療法
外科手術
Q11 手術の方法について教えてください。
Q12 拡大手術の意義はありますか? 教えてください。
Q13 内視鏡手術の方法、利点と欠点について教えてください。
Q14 バイパス手術とはどのようなときに行うのでしょうか?どのような方法ですか?
Q15 手術例数の多い病院で治療を受けたほうがよいのでしょうか?教えてください。
補助療法
Q16 膵がんで切除できそうですが、手術に先立って化学療法や放射線療法を行い、その後に手術を受ける方法を勧められました。この方法は効果があるのでしょうか?
Q17 手術の後にも治療をすると聞きました。どのような方法でしょうか?
放射線療法
Q18 放射線療法の方法について教えてください。副作用も心配です。
Q19 骨転移に対して放射線療法は有効でしょうか?
化学療法
Q20 化学療法(抗がん剤治療)の方法について教えてください。副作用も心配です。
Q21 一次化学療法とは何ですか? 教えてください。
Q22 現在、膵がんに対して化学療法を受けています。いつまで化学療法は続くのでしょうか? 教えてください。
Q23 二次化学療法とは何ですか? 教えてください。
ステント療法
Q24 胆道ドレナ-ジについて教えてください。
Q25 胃・十二指腸が閉塞したときの治療法について教えてください。
編集後記
索 引

がんと闘う、たくさんの仲間がいます。応援お願いします。

にほんブログ村 病気ブログ すい臓がんへ
にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


スポンサーリンク

スポンサーリンク

このブログの関連記事