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追悼式典での天皇陛下の式辞

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昨日は出張帰りで、その後高校時代のクラブの同窓会に参加したため、テレビ中継された東日本大震災の追悼式典を見ることができず、今日録画で視聴した。

式典での式辞。天皇陛下の言葉が素晴らしかった。式辞の内容も記憶している様子で、標柱を3度4度と仰ぎ見るようにしておられた。内容もご自身で吟味されたのであろう、「何人もの漁業者が、船を守るために沖に向け出航していく雄々しい姿も深く心に残っています。」と、陛下自身の言葉で語っていた。横に立つ皇后陛下も、凛とした姿勢で時折頷くかのようにしておられた。式辞は被災者に寄り添う目線で、政府の対応は被災者には十分ではないのだと注文をつけている。

福島第一原発事故にも言及されていた。国民が言って欲しいことを言ってくれた。

それに対して、安倍総理の言葉のなんと軽いことか。官僚が作文したかのような紋切り型の式辞を、ほとんど標柱を見上げることもなく、手元の書かれた文章を一心に読み上げていた。原発事故により避難している多くの人がいると、まるで人ごとのように言う。

天皇陛下の言葉はどこまでも重く、安倍晋三の言葉は羽毛のように、どこまでも軽い。憲法一条に書かれた象徴天皇をしっかりと守っている。天皇陛下の言葉によって、被災者に寄り添う国民の心が一つになっていく。この国で憲法を真摯に守ろうとしているのは天皇皇后両陛下ではないか、とこれまでの活動からもそう感じる。

3.11が巡ってくる度に、福島第一4号機のことを思いだそう。燃料プールに保管されていた使用済み核燃料が冷却できず、関東一円から避難せざるを得ないかもしれないという状況だったことを。『3年前の奇跡』にも書いたように、まったく偶然の奇跡によってプールに水が供給され、関東あるいは東日本全体の国土と国民が救われたのだった。

しかし、国民の命や国土よりも金、とばかりに停止していた原発の再稼働を進めている。先日3月9日の、高浜原発3,4号機の運転差し止めを認めた大津地裁の判決は、

原子力発電所による発電がいかに効率的であり、発電に要するコスト面では経済上優位であるとしても、それによる損害が具現化したときには必ずしも優位であるとはいえない上、その環境破壊の及ぶ範囲は我が国を越えてしまう可能性さえあるのであって、単に発電の効率性をもって、これらの甚大な災禍と引換えにすべき事情であるとはいい難い。

福島第一原子力発電所事故の原因究明は、建屋内での調査が進んでおらず、今なお道半ばの状況であり、本件の主張及び疎明の状況に照らせば、津波を主たる原因として特定し得たとしてよいのかも不明である。

その災禍の甚大さに真摯に向き合い、二度と同様の事故発生を防ぐとの見地から安全確保対策を講ずるには、原因究明を徹底的に行うことが不可欠である。この点についての債務者の主張及び疎明は未だ不十分な状態にあるにもかかわらず、 この点に意を払わないのであれば、そしてこのような姿勢が、債務者ひいては原子力規制委員会の姿勢であるとするならば、そもそも新規制基準策定に向かう姿勢に非常に不安を覚えるものといわざるを得ない。

災害が起こる度に「想定を超える」災害であったと繰り返されてきた過ちに真摯に向き合うならば、十二分の余裕をもつた基準とすることを念頭に置き、常に、他に考慮しなければならない要素ないし危険性を見落としている可能性があるとの立場に立ち、対策の見落としにより過酷事故が生じたとしても、致命的な状態に陥らないようにすることができるとの思想に立って、新規制基準を策定すべきものと考える。

ディーゼル発電機の起動失敗例は少なくなく、空冷式非常用発電装置の耐震性能を認めるに足りる資料はなく、また、電源車等の可動式電源については、地震動の影響を受けることが明らかである。非常時の備えにおいてどこまでも完全であることを求めることは不可能であるとしても、また、原子力規制委員会の判断において意見公募手続が踏まれているとしても、このような備えで十分であるとの社会一般の合意が形成されたといつてよいか、躊躇せざるを得ない。

と、手厳しい。私の胸には、ストンと落ちる判決内容である。


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追悼式典での天皇陛下の式辞” に対して4件のコメントがあります。

  1. キノシタ より:

    ベルママさん。
    大目玉さんの出版記念のオフ会でしたでしょうか。品川での。お久しぶりです。
    がん患者だって、政治に関心を持たなければね。がん対策も健康保険政策も大本は政治に行き着くわけで。
    私は私の政治的信条を遠慮なく吐露していくつもりです。
    チェロの話題もしばらく遠ざかっているし、がんの関して書きたいこともたくさん書き残しているし、時間が足りな~い。
    今後ともよろしくお願いします。

  2. ベルママ より:

    キノシタ様
    一昨年夏のオフ会で、右隣に座らせていただいた者です。
    以前の百田尚樹さん、曽野綾子さんへの記事もまた然り、天皇陛下と安倍総理への感じ方も全く同じ想いです。難しい内容はスルーしがちですが(^^:) これからも木下さんのブログで、私なりに勉強させていただきたいと思っております。

  3. キノシタ より:

    金山さん。
    そうですよね。平和記念式典での式辞もひどかった。
    ゴーストライターの原稿を棒読みですね。

  4. 金山 より:

    まさに私も昨年広島での平和記念式典で安倍総理の薄っぺらな演説に絶句したのです
    私には文章表現が出来ませんが、こちらの記事を読ませていただき大変共感いたしました。
    できる事なら安倍総理には平和記念式典には来ていただきたくないと真剣に思っています。
    突然失礼しました。

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