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Web交流会のご案内


第11回『膵臓がん患者と家族の集い』Web交流会

【日 時】2021年10月10日(日) 13:00~15:00(開場:12:45)
【場 所】Zoomを使ったオンラインの交流会です
【対 象】膵臓がん患者とその家族
【参加費】無料
【定 員】30名
【内 容】患者さん同士の交流会のみの開催です。迷っていること、気になることなど、同じ病気の仲間と気軽におしゃべりしましょう。

ウェブ会議ツール「Zoom」を使ったWeb交流会となります。
スマホだけで簡単に参加することができます。
参加申込受付中です。

詳しくはオフィシャルサイトで

エビデンスだけでがん治療ができるのか?(1)

標準治療は多くの患者の命を救い、延命効果も期待できるので無視すべきではありません。医療の進歩によって、これまでは治らないがんも治るようになり、抗がん剤によってある程度の延命も期待できるようになりました。近藤誠氏はそうは言わないでしょうが。

科学的根拠に基づく医療(EBM)が言われてたかだか20年です。それまでの医療はパターナリズム、強い立場にある医師が、弱い立場にある患者の利益になるようにと、本人の意志に反して行動に介入・干渉するとして弊害が指摘されました。

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『代替医療解剖』(単行本では『代替医療のトリック』)には、古代ギリシャ時代から近代まで続いた瀉血が、根拠のない医療行為であったこと。多くの船乗りを死に追いやった壊血病がビタミンCの欠乏によるものであることを、臨床試験で証明したことを初めとして、科学的根拠に基づく医療(EBM)がどのようにして確立し、多くの病気を治すことができるようになったかを、歴史的に解き明かしている。

抗がん剤の開発の壮絶な歴史は、『がん-4000年の歴史』(単行本は『病の皇帝「がん」に挑む』)に詳しい。

がん‐4000年の歴史‐ 上 (ハヤカワ文庫NF)

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たくさんの患者の命と引き替えに(その中には多くの幼い小児がん患者がいた)、また多くの研究者たちの熱意によって、抗がん剤がどのように開発され、どれほどの患者の命を救うことができたか、その歴史が記されています。

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「科学的根拠に基づく医療」には誰も反対できないですね。

膵がんの術後補助化学療法として、ジェムザールからTS-1に変えることで、5年生存率が50%ほどになったのは、無作為化比較試験による結果でした。EBMは多くのがん患者の寿命を延ばしているのです。

しかし、では現場の医療はすべて科学的根拠に基づいてなされているかというと、

「アメリカ議会の技術評価局の報告によれば、現在、正当医学で使用されている治療法のうち、厳密な試験を受けているものは30%に満たないとされていま
す。」と話して、その例として冠動脈バイパス形成術をあげています。この手術は効果が証明されていない(エビデンスがない)患者に対しても適用されているというのです。

とされ、日本でも似たような現実ではないでしょうか。

かつては、切り傷や擦り傷には消毒薬を使い、ガーゼで患部を乾かすのが常識でしたが、最近は対照的な「湿潤療法」が主流になっていまる。つまり、つい最近まで「科学的根拠のない治療」が行われてきたのです。

標準治療と言われる抗がん剤治療は「科学的根拠」に基づいてなされているのでしょうか。

K医師らが熱心に勧めているのだからあるに違いないと思われるでしょう。確かにファーストライン(一次治療)の抗がん剤は、ランダム化比較試験(RCT)で統計的に有意差が認められ、エビデンス(科学的な根拠)のあるものが治療に使われています。

しかし、セカンドライン(二次治療)になると、一部のがんを除いてはエビデンスに乏しいのです。肺がん、胃がん、大腸がんにおけるセカンドライン抗がん剤の治療効果は、無治療の緩和ケア群に比べて、生存期間中央値で2~3ヶ月の延命効果があるという程度のものです。

膵臓がん患者が、最初の抗がん剤としてアブラキサンとジェムザールを投与され、CA19-9値が上がってきた。耐性がついたらしいのでTS-1に変えようと医師から言われたら、「その二次治療にエビデンス(科学的な根拠)はあるのですか。どの程度の延命効果がありますか?」と訊いてください。あるいは治療の甲斐なく再発・転移した場合も同じです。

患者に真実を伝えようと考えている誠意のある医師なら、「この治療法にエビデンス(科学的な根拠)はありません。しかし、私の経験から、効果が期待できるかもしれないので、やってみませんか? ただし、延命するかどうかまでを保証できません」と言うでしょう。

抗がん剤治療の二次治療のほとんどにはエビデンスがないし、三次治療になるとまったくエビデンスはありません。重粒子線治療や陽子線治療にも確かなエビデンスはないのです。

ではなぜ標準治療と言われているのに、エビデンスの乏しい治療ができるのか。それはがん治療の多くに「ガイドライン」が定められているからです。例えば膵臓がんでは『科学的根拠に基づく 膵癌診療ガイドライン2013年版 第3版』が日本膵臓学会によって定められています。しかし、その「目的」に記されているように、

膵癌治療の現状は非常に厳しく,エビデンス(科学的な根拠)レベルの高い論文は少ないため,エビデンス(科学的な根拠)は現在ないが将来につながりそうな試みなどを,委員会の判断で加えた。

エビデンス(科学的な根拠)レベルの高いものがガイドラインとされているのではないのです。

そして今月に改定出版された『膵癌診療ガイドライン 2016年版 第4版』ではタイトルから「科学的根拠に基づく」との語句が削除されたのです。その理由として、

『Minds 診療ガイドライン作成の手引き2014』に準拠して作成された。2014年版の手引きは世界的にガイドライン作成のツールとなっているThe Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation(GRADE)システムに準拠しているため、第4版の膵癌診療ガイドラインもGRADEシステムに準拠する形式で作成された。エビデンス(科学的な根拠)重視の姿勢に変わりはないが、GRADEシステムは利益や不利益、医療費など実地診療にも配慮するため、今回はタイトルより“科学的根拠に基づく”を削除し、「膵癌診療ガイドライン」と変更した。

となっているのです。つまり、エビデンスだけではなく、患者の利益と不利益、患者の経済的状況、医療の現場で行われるあらゆる診療行為は効果や安全性の不確実性があるが故に実験的側面を有しているという点も考慮すべきだという内容を明確にしているのです。


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