人生は借用書 返済期限が来たら返せば良いだけ

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【日 時】2019年6月22日(土) 13:10~16:30(開場・受付:12:50ごろ)
【場 所】JR京浜東北根岸線 大森駅東口から徒歩4分 Luz大森4階 入新井集会室
【参加資格】膵臓がん患者とその家族、遺族
【参 加 費】1,000円(会場使用料及び資料代、講師謝礼)
【定 員】 90名
【内 容】
●講演:がんと心の関係~サイモントン療法による癒やし~
川畑のぶこ氏(NPO法人 サイモントン療法協会)によるサイモントン療法とマインドフルネスの講演およびエクササイズ
●患者さんどうしの情報交換~フリートーキング

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転移・再発したがんでは、抗がん剤は「延命効果」と「症状の緩和」が目的です。治ることはありません。しかし4割以上の患者は、いずれ抗がん剤で腫瘍が消えると、間違って受け取っています。

治ることばかり考えている患者もいる。頭の中は、きっと堂々巡りだ。しかし、

一日中がんのことばかりを考えている患者からは、がんは逃げていかないよ。だって居心地が良いのだから。

釈迦が説く「生老病死」から人間は決して免れることができないのだから、たとえ悟りをひらいた名僧、高僧だって死は恐怖であるはずだ。

しかし、死はやってくる。受入れたくなくても受入れざるを得ない。治らないがん患者にとっては、名僧、高僧のような悟りの心境に達する時間もない。まさかがんの告知と同時に修行をはじめるわけにもいかない。

親鸞、一休、良寛、西行、空海、一遍、最澄、それに鉄舟と山頭火。彼らが迷い悩みながら辿り着いた人生の終い方とはなにか?

臨済宗の高僧 仙厓は、死の間際に「死にとうない」と呟いたそうな。生の中に死があり、死のなかに生があり、両者はひとつと説く臨済宗である。弟子たちはおろおろしたに違いない。正直な坊さんだ。

一度地獄を見た者の生き方には二通りある。「生」にすがりつくか、助かったいのちは余生として「開き直る」か。

「生」にすがりつけば、二度と地獄に落ちまいと必死の努力をする。だが、眼下の地獄を見すえるこの生き方は、常に地獄の影がつきまとうため、心の平静は得られまい。開き直ったものは眼下の地獄に目もくれない。失うものはないと腹をくくれば、恐いものはない。

僧籍を剥奪された親鸞は、己の運命に絶望もせず、わが身の不幸を嘆くこともせず、逆境を受入れ肯定し、現状に身を投じていった。逆境に対して「今に見ておれ」と踏み台にする生き方は、「今ある自分」を否定することである。親鸞にとって死を受け入れるとは、臨終の瞬間まで「今を生ききる」ことであった。

名僧たちは自らの死をどう受け入れたのか (青春新書インテリジェンス)「人生は借用書」と喝破した一休、自分の生きてきた人生そのものが形見だと遺した良寛。出家することで悟りをひらきたいと思うその心が「執着」であり、それすらも捨てよという西行。「明日」を捨てよ、捨てて捨てて、その果てに平静があるとする一遍。

「明日」のことを考え、何かを「獲得」しようとするから悩みが生じるのである。生も死も、地位もお金も思い通りにならないのがあたりまえ。親も子も、伴侶も思い通りにはならない。自分の身体でさえ同じこと。コントロールできないことをコントロールしようとするから悩みが生じる。

現代医学には限界がある。治るものなら直す努力をすれば良い。治らない病まで治そうとするから迷いが生じて、オタオタする。希望を持つのは良い。しかし、いつしか「希望」が「執着」になってしまあてはいないか?

一遍はこう言う。「死ぬときは死ぬがな。それまでは生きているがな」そして、「明日」への思いを捨てさえすれば、「すべては捨てられる」

捨てれば、身軽になって、「ただ今のこの日」に命を集中して生きられる。

霊魂や脳科学から解明する 人はなぜ「死ぬのが怖い」のか (講談社+α文庫)この身体は借り物。借用書には「必ず返すべし」とは書かれているが、「いつ返せ」とは書かれていない。返す期限は誰にも分からない。身体もがんも「複雑系」だから、原理的に「未来は予測できない」。それを予測しようとするから要らぬ悩みが生じる。返す期限が来たら返せば良い、ただそれだけのことなんだよ。


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