がんが治るには法則がある

隠された法則がある

蔵本由紀さんの『非線形科学』によれば、「生命体から、非生命体まで、森羅万象を形づくる、隠された法則」があると書かれています。

非線形科学 (集英社新書 408G)

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蔵本 由紀
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「非線形科学」は、マクロの現象を、要素に分解しないでマクロのままとらえようとする科学です。世界は「複雑系」だから要素に分解してもその全体像は分からない。自然はなお奥深く、人類はまだそのほんの一部しか知りません。

複雑系科学が明らかにしつつあるのは、生命体から宇宙までを貫く隠された法則があるのではないか、ということです。

その法則によって、がんの自然治癒を説明することができるかもしれないのです。

フラクタルに隠された定数

フラクタルな性質を例に挙げれば、海岸線や雲、河川と毛細血管の枝分かれパターン、稲妻と壁のひび割れ、銀河団の分布構造、これらが同じフラクタル性を持っているが、これらはどのような物理的プロセスによって形成されているのか? そこにはまだ人間が知ることのない普遍的メカニズムがあるはずだということを確信させてくれます。

フラクタルなものとしては、稲妻・ひび割れ、血管、樹木、海岸線、銀河の分布、株価の変動などがあります。

雑然としているかのように見える現状の中に、多くの秩序が秘められているということが分かりつつあります。

物理的成り立ちの異なるシステムの間に、フラクタルに関する定数(ファイゲンバウム定数)が存在するということは、まだ我々人類が知り得ない多くの公理が存在することを想像させます。

血管の分岐構造や腸の内壁などはフラクタル構造になっていますが、それは次のような理由によるものでしょう。

血管の配置を考えたとき、人体において体積は有限であり、血管が占有する体積は可能な限り小さいことが望ましいわけです。一方、ガス交換等の機能を最大限にするには、血管表面積は可能な限り大きく取れる方が良いのです。

このような理由から、有限の体積の中に無限の表面積を包含できるフラクタル構造は非常に合理的かつ効率的であることが解ります。しかも、このような構造を生成するために必要な設計情報も、比較的単純な手続きの再帰的な適用で済まされるので、遺伝情報に占める割合もごく少量で済むものと考えられるのです。

ミクロの世界において合理的だと考えられる構造(フラクタル構造)は、河川の形や銀河系の分布におけるようにマクロにおいても合理的だと推測できます。もちろん人体においても合理的です。

遺伝情報を司るDNAは、紫外線や放射線などによる電離作用、環境中の有害物質による損傷などにより、遺伝情報の一部が絶えず壊されています。しかしそれが決定的なダメージならずに、人類が今日まで生き延びているのは、DNAの自己修復機能によるのです。

ナイフで指を切った傷が治っていく過程も、驚異的な仕組みで成り立っています。毛細血管が再生され、皮膚表面の細胞が連携しながら傷口をふさぐようにかさぶたが盛り上がって治っていきます。しかしそのスイッチがどういうメカニズムで始まるのか、正確には分からないことがたくさんあります。

更に上のレベル、人体全体、心の働きを含めた精神系をも統合した自己修復機能があってもおかしくはありません。『上は下の如く、下は上の如く』です。

治癒系の力を信じてがんを治す

免疫系に、身体性・精神性・霊性を加えたものを「治癒系」と呼ぶことにしましょう。

柳原和子の『がん患者学や、末期がんから生還した一万5千人の経験から学ぶ『ガンに打ち勝つ患者学』においても、末期がんから生還したがんサバイバーに共通しているのは、「治癒系」の力を信じていることです。

医師の加藤眞三さんのブログにこんな記事があります。

人の寿命はわからないと前章で述べましたが、その最たるものは「がんの自然退縮」です。日本の心身医学の創始者である九州大学の故池見酉次郎教授は、中川博士とともにがんの自然退縮例を研究しました。この研究により池見教授はストレス学説で有名なハンス・セリエ博士のセリエ賞をとられたのです。がんの自然退縮は500から1000例に一例はあると考えられているのだそうです。

池見教授は、74人のがんの自然退縮がみられた患者さんで、精神生活や生活環境を詳しく分析できた31人をまとめています。31人中23人(74パーセント)に人生観や生き方の大きな変化があったとされています。

その23人の中7人はかねてから人間的な成長度の高い人や真に宗教的な生き方をしてきた人たちであり、がんの告知がきっかけになり、永遠の命へのめざめが起きたそうです。5人は信仰をもっていた人たちの中で、がんを宣告されることによって信仰の対象としていた教祖や神仏に自分のすべてをまかせきるという全託の心境になったとされています。

5人は家族からのサポートや周囲の人の温かい思いやりに包まれて主体的な生きがいのある生活へ転換が起きた人であり、6人は生きがいのある仕事に打ち込んでいった人だそうです。このように、約4分の3の人では、生きがいや生き方に大きな変化があったときに、がんの自然退縮があったというのです。

私の経験でも、その数は多くはありませんが、悪性腫瘍が治療もしないのに退縮した例を2人みています。二人とも宗教的に高い地位にある人で、がんの告知や治療の説明を受けた後に、それを受け止め、自分自身で積極的な治療は受けないことをきめた人です。池見先生の分類では、実存的転換や宗教的目覚めがあった人にあてはまると推察されます。

がんが自然退縮した人では、「実存的転換」というべき変化があったいうのです。

「実存的転換」の意味は、『今までの生活を心機一転し、新しい対象を発見し、満足感を見出し、生活を是正するとともに残された生涯の一日一日を前向きに行動しようとするあり方』です。

がんになった患者にとって「自分ではいま何ができるのだろうか」と考えるのは当然の成り行きでしょう。その答えは、『自己治癒力を高める』ための方法、生活に切り替える、実存的転換をするということです。

心の働きも含めた免疫系=治癒系に働きかけるのです。

カール・セーガンのSF小説『コンタクト〈上巻〉』のラストは、円周率の計算を続けると、その最後に創造主からのメッセージが暗号として込められているという設定です。

円周率と同様に、ファイゲンバウム定数もフラクタル構造も、創造主の知恵・暗号なのかもしれません。人体も宇宙と同じかそれ以上に複雑で千万無量の構造と機能を持っているのです。

東洋医学においてはそれを「気」といい、フルフォードは「生命場」あるいは「生命エネルギー」といい、老子は「タオ」といいますが、すべてを統べる宇宙のエネルギーということなのでしょう。

がんの奇跡的治癒した症例を「宝くじに当たったようなもの」と例外扱いするのは簡単ですが、そうした中に共通する要素はないのか、科学的に立証することは困難でも、もしかすると役立つ法則はないのかと考えてみることも必要です。


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