膵臓がん:知らないと損なこと
9月21日の『膵臓がん患者と家族の集い』Web交流会での佐藤典宏先生の講演に
は、大きな反響をいただいています。
YouTubeにアップしてありますが、新しい情報もたくさんあり、「知らなければ損」なものがたくさんあります。
『膵癌診療ガイドライン 2019』とその患者向けの冊子『膵がん診療ガイドライン2019の解説 第3版』にも、膵臓がんに関する最新の情報が詰まっています。患者向けの冊子は是非手元においておきたいですね。
こちらも「知っていないと損」な情報です。
さて、佐藤先生の講演から、ガイドラインよりも注目してほしい情報をピックアップしてみます。
膵臓がんの標準治療と代替医療(50:41)
SBRT(体幹部定位放射線治療)
重粒子線ではないんですけどもSBRT(体幹部定位放射線治療)というのがあります。これは三次元治療ですね。がんに対していろんな角度からピンポイントに照射する方法で、これも外科切除と比較して侵襲性が少ないので、肺がんとかに適用されています。SBRTの保険適用が拡大して、今年の4月から転移性の肺がん、転移性肝がんなどに保険適用となった。
もともと限局性の膵癌に適用されていましたが、新たに5個以内のオリゴ転移癌にも適用となりました。
ナノナイフ
治験ではないが、アメリカ国立がん研究所(NCI)によるがん患者の大規模データベース解析では、抗がん剤治療と比べて圧倒的に生存率が高くなっています。
ハイパーサーミア
ハイパーサーミアですね。これも特殊な施設でしかできませんけども、がんは熱に弱いという特性を利用して、42°から43°に腫瘍部を加温するという治療ですね。これはですね。単独ではあまり効果がないんですね。抗がん剤や抗がん剤+放射線に加えてこのハイパーサーミアを行うことで、予後が良くなるということが報告されてまして、コントロールに比べて倍近く生存期間が良くなりましたという研究報告があります。
【参考記事】