がん患者のためのインターネット活用術 (1)

ーー 目次 --
第1章 広告をブロックして快適にインターネット
■ インターネットを活用してがんサバイバーになる
2007年に、私が膵臓がんを告知された当時はインターネット上でも膵臓がんに関する情報はほとんどありませんでした。そうしたなか膵臓がんとの戦いに勝つにはどうすれば良いのかと、さまざまな模索を続けました。
そしてインターネットを効率よく使って正しい情報を探す。そうしたスキルを蓄積し、それを Kindle 本として出版もしましたし、このブログでも紹介してきました。
しかしインターネット上の情報は日進月歩です。環境も以前とは違ってきました。以前のブログの記事を元に現在のインターネット環境に合わせて書き換えや追加をすることとしました。
膵臓がんに限らず、がんの治療に向けて日々がんばっておられるサバイバーのみなさまが活用されることを期待しております。
がんの告知をされたとき、家族ががんかもしれないといわれたとき、現在では多くの方がインターネットで情報を集めようとするに違いありません。しかし、インターネット上の情報は玉石混淆です。藁をも掴みたいがん患者を食い物にしようとする悪徳業者も後を絶ちません。
インターネットを上手に活用して「がんサバイバー」になるための必須のテクニックを紹介したいと思います。
「がん患者のための」と書きましたが、一般的なインターネットの検索にも使えるテクニックです。
使用するブラウザと検索サイト
ブラウザーは、主にGoogle Chromeを対象として説明しますが、Microsoft EdgeとFirefoxについても補足します。Mac OSのSafariには対応しておりませんのでご了承ください。
以前の記事では Firefoxをメインに説明してまいりましたが、それは Firefox にはたくさんの「拡張機能」があり、それらを有効に使うことができたからです。
しかし最近は Google Chrome でもほぼ同等の「拡張機能」が使えるようになり、また Microsoft Edge が Chrome と同じエンジンを使うことによって Chrome の拡張機能を Edge でも使えるようになりました。しかし、Firefoxでしかできないことについては、特別に取り上げて説明します。
検索サイトとしてはGoogle を使います。ヤフーの検索サイトも Google と同じ検索エンジンを使用しているので、結果はほぼ同じとなります。
デフォルトの検索エンジンをGoogleにする
Windowsパソコンの場合
Google Chrome ブラウザを起動したら、ブラウザの右上にあるメニューをクリックして「設定」を選びます。

「設定」画面が表示されたら、左タグの検索エンジンをクリックします。そして「検索エンジン」「アドレスバーで使用する検索エンジン」のプルダウンをクリックし、その中の Google を選択します。
これで Google がアドレスバーでの既定の検索エンジンとなります。好みに応じて既定のブラウザを Chrome にしておくのも良いでしょう。

Android スマートフォンまたはタブレットの場合
- Chrome アプリ
を起動します。
- 右上のアイコン
[設定] をタップします。
- [基本設定] で、[検索エンジン]
[Google] をタップします。
iPhone または iPad の場合
- Chrome アプリ
を起動します。
- 画面下部のその他アイコン
[設定]
をタップします。
- [検索エンジン]
[Google] をタップします。
パソコンで広告をブロックする
Googleで検索するとスポンサーサイトの広告が表示されます。 広告も役に立つ場合がありますが、「がん」に関する情報を検索する限りにおいては、広告はほとんどが怪しげなサイトのものです。しかも、Googleの収入源ですから、広告が一番上位に表示されるのです。
「がん」に関する検索結果で上位に来る広告サイトは、藁をも掴みたいと思っているがん患者に、蛇を掴ませようとするサイトがほとんどだと言っても過言ではありません。
特にがんの告知をされて間もない患者さんにとっては、こうした広告の魅力的な文言や内容に心を奪われて、ついついクリックしてしまうことになります。
無料で検索を使わせて頂いているのですから、広告があることはやむを得ません。しかしがんを告知されて間もない方には情報の真贋を判断する知識も乏しいでしょうから、最初は広告をブロックする設定にしておくことをお勧めします。
「Adblock Plus」をインストール
Chrome ウェブストアで「Adblock Plus」と入力して検索します。「Adblock」だけですと似たようなアプリも出てきますので気をつけてください。

Microsoft Edge ではMicrosoft Storeから同じように入手することができます。
Firefox では、右上のメニューから「アドオン」を選択し、「Adblock Plus」で検索します。ヒットしたらインストールしてください。
Adblock Plus の設定
インストールしたら設定に進みます。Chromeの例で説明しますが、他のブラウザでもほぼ同様です。
- Chromeのメニューから、「その他のツール」「拡張機能」と進みクリックします。
- Adblock PlusをONにして、「詳細」をクリックします。

- 「設定」の「全般」を数のように設定します。「言語の追加」では日本語が選べないので「English」にしておきます。
- 「豆腐フィルタ」については、後で説明します。

次に「詳細設定」をクリックして、「組み込みフィルタリストを追加」で、下図のように設定していきます。

次に豆腐フィルタです。
これは日本語のサイトの広告をブロックするための強力なフィルターリストであり、頻繁に更新されております。
- githubの豆腐フィルタのページに行きます。
- 「フィルタを購読する」をクリックしてください

- 「このフィルターリスト追加しますか?」とのダイアログが出るので、「はい。このフィルタリストを追加します」をクリックしてください

これで豆腐フィルタがフィルターリストに登録されます。
豆腐フィルタはなくてもそこそこブロックしてくれますが、インストールすれば日本語のサイトの広告がよりブロックされやすくなります。
これで、Google検索や新聞社などの多くのサイトの広告が表示されなくなります。
試しに、朝日新聞のトップページでの効果を比較してみます。


Android、iPhone、iPadで広告をブロックする
スマホやタブレットのブラウザには、通常は拡張機能をインストールすることができません。Adblock Plusをインストールできないということです。
広告ブロックをができるブラウザがスマホ用に提供されていますが、広告ブロックの能力も芳しくなく、動作が不安定なアプリが多い印象がします。
FireFoxはスマホ版でも拡張機能が使えます。
Google Store または Apple Store でダウンロードできます。

スマホに Firefox Browser をインストールしたら起動します。
Firefox Browserの右下にあるメニューをタップして、アドオンをタップし、さらに「uBlock Origin」をタップして表示された画面から「有効」にします。



「設定」はデフォルトのままでだいじょうぶです。
AdGuard for Android、AdGuard for iOSをインストールする
別の方法です。
有料ですがこのアプリは非常に高機能ですしかもWindows Mac Android iOS の全てで使うことができます。
AdGuardはWindows と Mac のパソコン、 Androidと iOS のスマホタブレットに対応している広告ブロックアプリです。
このアプリのスマホへのインストールには若干テクニックが必要ですが、AdGuardのサイトに丁寧に説明がされています。
Android スマホの例で説明をしますが、iPhone iPad でも同じです。このアプリは手動でインストールする必要があります。Google Playからはインストールできません。
- 「AdGuard for Android」で検索をします。
- 「ダウンロード」をタップします。
- 「インストール」の説明画面が表示されます。この支持に従っていけばインストールが完了します。
- 「adguaed.apk」という実行ファイルが保存され、それを実行することでインストールができます。
ダウンロードが完了すると、AdGuardアプリケーションをインストールするかどうかをシステム尋ねられます。 インストールするを押します。
インストールが完了したら、完了を押してください。
これでAdGuardはデバイスにインストール完了です。 インストール済みアプリのリストのでAdGuardアイコンを押すことでアプリを起動することができます。
ブラウザを使用するときは常にアドガードを起動しておくことが必要です。常時起動しておいても差し支えないでしょう。
無料版のライセンスはインストールから一週間が使用期限です。永久版のライセンスは5980円。1年ごとですと一か月198円でプレミアム版が購入できます。


Adblock Plus をインストールした効果
Google検索でも広告は表示されなくなります。
Adblock Plusは、サイトごとでもページ単位でも、ONとOFFをメニューバーから切り替えることができます。

「膵臓がん 治る」で検索した結果がこちらです。


上段にある「広告」がきれいに消えて、国立がん研究センターなどのサイトが上に表示されるようになりました。