中外日報の12月11日記事で、筑波技術大学・鮎澤准教授の 「真言僧に特有な遺伝子。筑波技術大学・鮎澤准教授。護摩行時に働きだす」「一般人とは異なる、真言密教僧侶に特有な109個の僧侶型遺伝子が見つかった」との発現がツイッターで話題になっています。
一種の瞑想状態によって遺伝子が変異する可能性があるということなのでしょうか。心の働きによってエピジェネティックに遺伝子が変異することは、もはや常識の部類でしょうから、さもありなんとは感じます。
サイモントン療法などのイメージ療法で、がん細胞をミサイルで打ち落とすことをイメージし続けたら癌が消えてしまったという子供の例がありましたが、心の働きががん細胞の遺伝子に作用するのかもしれません。
マインドフルネスも今日本でさかんな様子が、やはり中外日報に載っていました。
マインドフルネスは呼吸法などを用いて、「今」という瞬間の心と体の状態に気付く瞑想法だ。誰でも簡単に実践できるという。エンゲージド・ブッディズムで知られるベトナムの僧侶ティク・ナット・ハン氏が、20年以上前から瞑想法のキーワードとして用いてきた。ハン氏はあくまでも仏教として行っているが、マサチューセッツ工科大医学部名誉教授のJ・カバット・ジン氏は臨床研究によって、心理療法に取り入れた。
欧米で流行っていたものが日本でも盛んになっている。一方で、
ネルケ無方・曹洞宗安泰寺住職も「日常の行いを一生懸命すればよいのであって、マインドフルネスを用いる必要はない。日本人は欧米の流行に弱い。気を配ること、注意することは日本人が生活の中で既にやっていることだ。主張の強い欧米人が自分を見つめるためには必要だが、内向的な日本人にはなじまないのでは」と話している。
と否定的な意見もある。
シュレベールは「がんに効く生活-心の力」の章で「3.生命力との絆を結び治す」として、サイモントン療法とJ・カバットジンのマインドフルネスストレス低減法が紹介されています。そして「瞑想」によって自分自身と対話することは、「体の内なる治癒力を調和させはじめるのに欠かすことのできない条件である」と断言する。
マインドフルネス瞑想法の効果は、免疫システムの正常化、炎症の減少などが証明されています。2ヶ月間の瞑想だけで、免疫システムがインフルエンザ・ワクチンに強く反応するようになり、白血球はNK細胞も含めて正常になり、がんとより強く戦えるようになったのです。
しかし、『マインドフルネスストレス低減法
「自分のストレスをコントロールし、病気と闘うために免疫システムを向上させたい」という期待をもって、多くの癌やエイズの患者たちが瞑想を始めようとしています。 しかし、私たちは、「瞑想で自分の免疫システムを強化できる」という強い期待をもつことは、実際には自分のもっている癒やしの力を十分に引き出すうえでの障害になる、と考えています。なぜならば瞑想は、ゴールをめざすものではないからです。あまりにも期待感や目的意識が強すぎると、瞑想の精神が損なわれ、効果どころか逆に障害になってしまうのです。瞑想の本質は”何もしない”ということです。何もしないで、あるがままに受け入れ、解き放つことによって、”全体性”を体験するのです。そして、これが治癒力の基礎となるわけです。
がん患者にとっても気になる療法だが、私はマインドフルネスあるいは禅や瞑想を取り入れた効果は実感しているし、お勧めする。