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タイムドメインスピーカー Jupity301

BauXar ボザール Jupity301

由井啓之氏の提唱する「タイムドメイン理論」に基づいて設計された「BauXar ボザール Jupity301
」を入手。
タイムドメインスピーカーは、前々からその評判は聞いていたが、先日ヨドバシで視聴して、すっかりその音の虜になってしまった。富士通テン ECLIPSE TDシリーズや最近ではiPod用として発売された日立マクセル製のMXSP-4000.TDがあるが、タイムドメイン社の製品で最高峰と言われているのがYoshii9、しかしこれは30万円と高価で手が出ない。Jupity301はライセンス品だがタイムドメイン社でもその性能を保証しているようだったのでこれにした。

デスクの両端にディスプレイをはさむように設置して、ケーブルの接続も簡単だ。CDプレーヤーも由井氏の推奨するのは「複雑な回路で音を補正したような製品ではなく、単純なポータブルCDプレーヤーが良い」との説明を頼りに、7200円のSONYのD-NE730にした。こんなに安いCDでよいのかなと半信半疑。

6センチほどのフルレンジスピーカーだけのユニットから豊かな音が出てくる。スピーカーから音が出てくるのではなく、顔の前の空間から音が出てくるという感じなのだ。モーツアルトをかけてみた。部屋全体がコンサートホールになったような気がする。弦楽器の音の立ち上がりが良い。弓が弦を噛みこんでから立ち上がるときの高音成分が明瞭に再現されてくる。

ロッシーニのチェロとコントラバスのための二重奏曲には驚いた。コントラバスのダッ・ダッ・ダッというテンポの速いスピッカートが明確に区切られて聞こえる(通常のスピーカーではくぐもって連続的に聞こえる)。低音に含まれている倍音成分がより正確に出てくるタイムドメイン理論の結果であるが、それが音にはっきりと現れている。もちろん高音部も良い。シンバルや鈴の、これまでは聴こえなかった音が聴こえてくる。

芸能山城組の「輪廻交響楽」では、最初の爆発的に轟く巨大な太鼓の音がこれまでのスピーカでは太いばちでたたいているように聞こえるのたが、このスピーカーでは細身の硬いバチで叩いているように聞こえる(実際にCDの解説書によれば平太鼓をチベット密教のバチで叩いていると書かれて
いる)。BOSEのスピーカでも確かに巨大な太鼓の音として再現されるのだが、Jupity301で聴くと声明(しょうみょう)のようなコーラスともあいまって、般若心経の陀羅尼(だらに:秘蔵真言)、東洋思想の生命観・宇宙観である輪廻転生が見事に再現される。これまでのスピーカーの音空間とは違う、自分の体が輪廻転生の真っ只中の宇宙空間に漂っているような、そんな錯覚すら覚えてくる。

音像の定位感も良いから楽器の配置の奥行きまで分かるし、ヨー・ヨー・マのチェロでは左手が移動するときの弦をこする音や奏者の息遣いまではっきりと聴こえる。

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