サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

100年に一度の無能内閣

オバマがアメリカの新しい大統領に選出された。彼を誕生させたのは、経済の悪化であり、その担い手となったのは、貧困層・若者である。フリードマンが提唱し、レーガン以後の経済政策の中心となってきたシカゴ学派の敗退が始まった。

日本のマスコミでは、TBSなどの報道番組において「資本主義」という言葉がよく発言されるようになってきた。これまでは「自由主義経済」であった。それが「資本主義」という言葉に変わった。「資本主義」の対極にあるのは「社会主義」である。ソビエトの崩壊により、資本主義万能の時代が続いたが、どうやら資本主義もおかしいぞ、ということだろう。

小林多喜二の「蟹工船」が書店にも平積みされてよく売れている。ヨーロッパではマルクスの再評価、資本論が見直されている。新自由主義経済の破綻が明らかになった今、古典への回帰が起きているのだ。

この100年に一度(麻生総理の言)の未曾有の変革期に、アメリカは1年半をかけて自らの将来を託す指導者を選んだ。「ブッシュの経済政策は間違っている」「イラク戦争は間違いだ」という世論がアメリカの大勢だということだ。

日本はどうか? 一人1万6千円の「給付」と引き替えに、消費税の5%アップだという。高速道路がどこまで行っても1000円だとか。インド洋でのアメリカの艦船への給油活動も続けるという。中国などの新興国が、これからの世界経済の牽引役となろうとしているときに、「日本軍の南京大虐殺はなかった」などという自衛隊幹部が出る始末だ。破綻しつつある新自由主義経済対策をより一層続けようとしているのだから、我々日本の将来は暗澹としたものに違いない。

『この100年に一度の経済危機のなさか、どうやら100年に一度の無能内閣が誕生したようである』と、藤原新也氏が書いている。

モバイルバージョンを終了