サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

こんなスイッチがあれば・・・

連日CDをパソコンに取り込んで保存している。別に死んだあとの処置を考えているわけでもない。まぁ、ハードディスクに保存してあれば、デリートキー一発で全て削除できるから、死んだ後には形のあるものを残したくはないという私には好都合かもしれない。その伝でいえば、この生身の体も簡単に処理できるといいのだが、癌で死ぬときにはそうもいかないらしい。やはり相当の期間苦しんでから逝ってしまうようだ。そのあとにはやっかいな葬儀が待っている。とは言っても死んだ本人にはまったく影響がないから、好きなようにしてくれればよい。できるなら、他人は一切呼ばず、身内だけの簡単な葬儀がよい。遺体は海にでも撒いてくれればよいが、これもいろいろと条例やらがあって面倒らしい。癌で死ぬのも一苦労だ。

今すぐに余命がどうのという状況ではないが、相手は名にし負う膵臓がんだから、今でも体内でエイリアンが活動しているに違いないと考えておく方が、変な希望を持つよりは間違いのないことだろう。そういえばこの頃少し疲れ気味だなと考えだすと、もしかして再発の兆候かとか、いらぬ心配の種が生じてくる。玄米菜食にも少し飽きてきたから、時々は肉を食ってみるが、罪悪感が残って旨くはない。どうせ俺の体だから、好きにさせてほしいのだが、何かを止めるとこれまでの経過が良かっただけに、万一悪化したときに「それ見たことか」とならないとも限らないから、方向転換するのも躊躇する。パソコンでCtrl + Alt + Delete キーを同時に押せシャットダウンする、こんな感じで、頭のツボと丹田と足のツボを同時に押せば、命が尽きて火葬が終わり、ついでにお経まで流れてくれる、こんな便利なキーは付いて・・・いないだろうなぁ。

「癌にならないための生活」に身も心も捧げる。こんな人生を送るつもりはないから、好きなことをやっている。毎日の晩酌は欠かしたことがない。疲れたら、昼間でも会社で寝る。夜は音楽を聴いたり、本を読んだり。テレビはばかばかしくて見る気にもならないからいいのだが、こんなわがままに日々を送っていると、月日の経つのがあっという間で、もう秋になってしまった。今年の紅葉はどこへ行こうか? 来年また紅葉を観られるという確証はないのだから、どこかに行きたいが、そうなると行きたいところがたくさんあって、全部に義理を果たそうとしたら、余命の間には周りきれそうもない。選ぶのも一苦労だ。

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