サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

東京大学医科学研究所の反論

問題になっている朝日新聞の記事に対する東京大学医科学研究所の反論が出ています。

出血に至った経緯や原因も説明されています。膵臓がんのペプチドワクチンは血管新生を抑えるため出血の心配があり、担当医師は注意深く経過を観察していた。この患者は、膵臓がんの進行に伴って肝臓へ流れる門脈が詰まったため食道に静脈瘤ができ、そこから出血が起こったこと、適切な処置が施され退院した、などが詳細に説明されています。

また「有害事象」と「副作用」の関係、記事がそれらを故意に混同させるかのように書かれたことも指摘しています。

今回の朝日新聞の「ねつ造記事」には、膵臓がん患者として心底からの怒りを覚えています。このワクチンが今年末の上市と報じられ、それが来年になりそうだともいわれて、いま現在GEMやTS-1の効かなくなった膵臓がん患者は、「それまで生きていられるだろうか?」と心配しています。そんな患者に冷や水を浴びせるような朝日の記事です。新聞が真実を、公正に、分かりやすく報じなくなったら、権力に媚びして弱者の視点を忘れたら、戦前の新聞界全体があの戦争に協力していった同じ誤りを繰り返すことにつながります。

幸い、現代はインターネットもあり、われわれ一般人もこのように発言することができ、意見を広めていくことができます。

清木元治所長の次の発言は、朝日新聞の姿勢と比較するとより光を放っているように感じます。怒りは大きいが、報道と表現の自由は保証されなければならないとおっしゃるのですから。

新聞記事の影響は絶大であり、これで被害が及ぶ人たちのことを考えればキッチリと法的に規制をかけて罰則を整えないと、報道被害をなくすることはできないと言う意見も出てきそうです。しかし、そういった議論があまり健全でないことは言うに及びません。社会には法的な規制がかけにくい先端部分で新しい発展が生まれ、人類に貢献し、社会の健全性が保たれる仕組みとなることも多々あります。無論そこでは関係者の高いモラルと善意が必要であることは言うまでもありません。

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