オンコセラピーサイエンスが2月1日、大塚製薬と共同で新生血管阻害剤OCV-101の第Ⅱ相臨床試験を開始すると発表しました。OCV-101はOTS11101のコード名を今回の試験より変更したもの。
平成 23 年 2 月 1 日
各 位
神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1
オンコセラピー・サイエンス株式会社
代表取締役社長 角田 卓也
(問い合せ先)取締役管理本部長 山本 和男
電話番号 044‐820‐8251
新生血管阻害剤 OCV-101 第Ⅱ相臨床試験開始のお知らせ
当社が大塚製薬株式会社と契約を締結し、共同で開発を進めております新生血管阻害剤 OCV-101(旧「OTS11101」。本試験より治験薬コード名変更。)の膵臓がんに対する第Ⅱ相臨床試験を開始しますので、お知らせいたします。
新生血管阻害剤 OCV-101 は、腫瘍新生血管内皮細胞を標的とするがんワクチン療法剤です。 開始いたします臨床試験は、切除不能進行膵臓がん及び再発膵臓がんの患者さんを対象とし、その有効性及び安全性を確認する第Ⅱ相臨床試験です。本試験は全国 8 施設で施行いたします。
当社は、この治験開始に伴い、大塚製薬から契約に基づくマイルストーンを受領いたします。
なお、本件は当初計画に含まれており、発表済みの通期予想に変更はありません。
以 上
OTS-102との違いはペプチドが異なるということでしょうね。同じ新生血管阻害剤ですが、詳しい情報を探し当てられませんでした。「全国8施設」はどこか。中村教授のwebにいずれ発表されると思われます。OTS-102はこんな説明です。
腫瘍の継続的な増殖や転移には,血管新生が重要な役割を果たしています。その血管新生を促進する最も強力な物質のひとつが血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)であり,その主要なシグナル伝達を担う主要な受容体は血管内皮増殖因子受容体(vascular endothelial growth factor receptor:VEGFR)-2/キナーゼドメイン受容体(kinase domain receptor:KDR)であることが知られています。 KDRを特異的に認識する細胞傷害性T細胞(cytotoxic T lymphocyte:CTL)を誘導できる数種類のHLA-A*2402拘束性エピトープペプチドのうち,最も強いCTL誘導能をもつペプチドが KDR169です。
本治験で用いるOTS102は有効成分としてKDR169を含有する注射剤です。OTS102をHLA-A*2402を有する癌患者に皮下投与することにより,有効成分であるKDR169が抗原提示細胞のHLAに結合しCD8陽性細胞に提示され,これを認識したT細胞が活性化されてKDR特異的CTLが誘導されます。誘導されたCTLはKDRを発現している腫瘍新生血管内皮細胞を特異的に傷害し,これにより抗腫瘍効果を示します。