サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

NHKスペシャル 「キラーストレス」

はっきり言います。私が再発も転移もせずに9年間、ここまで来られたのは、運動とメディテーションのおかげです。

サプリメントも食事療法も効果があったのかもしれません。もちろん、がん研有明病院の先生の術式がすばらしかったことが一番の要因でしょう。しかし、高い確率で再発・転移する膵臓がんであることを考えたなら、術後の初期から運動とサイモントン療法、瞑想やマインドフルネスなどのメディテーションに取り組んできたことが大きな要因だと感じています。だから「心の有り様」がいちばん大切だよと、常々書き続けてきました。

しかし、がん患者のブログを見ても、「私、メディテーションやってます」って人は少ないのですね。皆さんサプリメントや食事療法などの”形のあるもの”に関心がいっています。

昨夜と今夜の二夜連続で放映されるNHKスペシャル シリーズ『キラーストレス』では、ストレスとがんの関係も取り上げられています。

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1929年にウォルター・B・キャノンによって初めて提唱された「闘争か逃走反応」。太古の狩猟時代の人類が猛獣などの敵と遭遇したときに、「闘うべきか、逃げるべきか」を判断し備えるためにからだはそれにふさわしい準備をします。

恐怖や不安などのストレスを受けると脳の下部にある扁桃体が活性化し、

それが、副腎に指令を出してストレスホルモンであるコルチゾールを放出させます。コルチゾールは心臓の心拍数を上げ、自律神経を興奮されます。

こうして、筋肉や心臓に大量の血液を供給して、生き残るための事態に備えようとします。「目の前の生きるか死ぬか」の問題に直面したとき、免疫系などの当面不必要な活動は抑制されるのです。

しかし、現代の社会においては、常にストレスに曝されて「闘争か逃走反応」が持続的に続いています。

がんの告知を受けた患者は、さらに大きなストレスに曝されます。免疫系の活動が弱体化して、がん細胞の増殖がより早くなるのです。

またストレスホルモンは、免疫細胞のATF3遺伝子を活性化させて、免疫細胞ががん細胞を攻撃することを抑制するのです。このためにストレスがあるとがん細胞が増殖しやすくなり、再発・転移につながるのです。

乳がん患者でATF3遺伝子が活性化している患者と、活性化していない患者の1年生存率を比較すると、前者では45%に対して後者では85%と大きな差があります。ストレスががん患者の生存率に大きく影響しているのかが分かります。

NHKの番組では最新の研究を紹介しながら、キラーストレスがわたしたちの体に大きな影響を与えていることを解明しています。

ストレスを軽減し、再発や転移を防ぐために効果的なことは、

の二つです。今夜の番組ではメディテーションに焦点を当てて紹介されます。

しかし、これらのことは既にシュレベールの『がんに効く生活―克服した医師の自分でできる「統合医療」』でも詳しく書かれていることです。別段目新しいことではありません。2009年に出版されたこの本ですが、いまでも内容は決して古びてはいません。

シュレベールは、その後に上梓した『さよならは何度でも ガンと向き合った医師の遺言』において、「『がんに効く生活』では食事やサプリメントのことに重きを置きすぎた。もっと心と運動に関して書くべきだった」と述べていることも指摘しておきます。

 
 
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