サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

家族なら”完治”を願うべきか?

 


小林麻央さんが出演したテレビの視聴率が20%越えだと話題ですね。私は観てませんが。
で、その中で市川海老蔵さんが語ったことばで”炎上”しているらしい。末期がんを抱えた家族が言うべき言葉ではないという非難らしい。

「海老蔵さんは昨年10月に、麻央さんについて『早かったら3、4、5月で、今年の夏は絶対無理だと思った』と語っていた。しかし、こういった表現は完治したか、もしくは亡くなった方について語るときの言葉でしょう。麻央さんがいま現在も死の恐怖に立ち向かっていることを海老蔵さんは自覚しているのか、はなはだ疑問ですね」

「患者にとっても身内にとっても望むのは常に“完治”のはず。しかし海老蔵さんの言葉は、“延命していること自体が奇跡”だと言っているのも同然です。しかもテレビで発言したら麻央さんに伝わるのは確実。それとも海老蔵さんは同じ言葉を、麻央さんに直接伝えたりできるのでしょうか?」

ある医療系ライターの非難らしいが、トンデモおかしいね。患者も家族も、治りたいという希望と同時に死にも向き合っている。あわよくば完治したいのはがん患者なら誰でも思っている。しかし、治らないものは治らない。

最悪を想定して最善を尽くす。

それが家族としての務めだろう。こんなときには、遠くの親戚が出しゃばってきて、代替食品やら怪しげな壺などを押し付けたりもする。病院を替えさせようとする強者もいる始末だ。

患者はもう抗がん剤は止めたいのに、身内が「どうか止めないでくれ」というので、仕方なく体がぼろぼろになるまで抗がん剤をやる人も絶えない。”完治”を願う身内の思いが、患者には拷問にもなる得る。

小林麻央さんのがんは遠隔転移しているのだから、抗がん剤では治らない。延命効果だけ。それを認めてよりよい時間を過ごそうと考えるのが身内としての優しい対応だろう。私には、二人ともその点は分かっているように思える。

しかし誤解を恐れずにいえば、小林麻央さんのように、余命幾ばくかで乳がんと闘っている患者はたくさんいます。抗がん剤の治療費を稼ぐためにパート務めをしている患者もいる。なぜ彼女だけが注目されるのか分かりません。有名人で視聴率が稼げる、週刊誌が売れるからというのが最大の理由ではないでしょうか。

麻央さんも、他のがん患者さんも、みんながんばってください。

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