昨夜放送された、医師で僧侶で末期の膵臓がんの田中雅博さんの死までの450日のドキュメント。看取りのプロの末期がんの様子を、母を膵臓がんで亡くしたディレクターが全てを撮影した。
死ぬことは怖くはないと言った田中さん。最期は持続的沈静を希望し延命治療は拒否した。
しかし、妻であり医師である貞雅さんの思いは複雑です。なんで膵臓がんをもう少し早く見つけられなかったのかと後悔して悔しいという。
看取りのプロのありのままの最期。
しかし、膵臓がんの最期の痛みに苦悶する田中さん。貞雅さんは一日でも長くと鎮静を先延ばしにする。医師としての理想と家族としての葛藤がせめぎ合う。
田中さんが拒否した心臓マッサージを、妻の貞雅さんは最期に行った。
「千人の死を看取っても、人の死に慣れることはない」と貞雅さんは言う。
ディレクターは「理想の死なんて、最初からなかったのでないか」「死はきれい事ではない、思い通りにはいかない」と。人はひとりでは死ねない。
大腸がんだったと推測されている良寛さんも最期にはこう言ったという。「みんなが優しいから、もう少しこの世にいたい気がする」
人間にとって、死ぬのは最後の大仕事だ。