サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

光免疫療法の開発には日本の優れた技術が使われている

光免疫療法に関するこぼれ話です。

1月15日に島津製作所が、「がん光免疫療法に関する計測技術について米国国立がん研究所と共同研究契約を締結」と発表されました。

島津製作所は、ヘルスケア分野で新規事業に乗り出す。新たながん治療法であるがん光免疫療法(NIR-PIT)に関する計測技術について、NIR-PITの発明者である小林久隆主任研究員が所属する米国国立がん研究所(NCI)と共同研究開発契約を締結した。期間は5年間。島津製作所の高精細な画像を描出できる技術や質量分析計(MS)を応用し、NIR-PITの進展に寄与する。

この発表文のなかには、

現在、米国では第一相臨床試験が成功し、第二相臨床試験を実施しています。日本でも本年からの臨床試験開始が決定しました。シンガポールなどでの臨床試験の準備も進んでいます。

とも書かれています。シンガポールを含めてアジア地域でも始まるのですね。

光免疫療法の研究技術には、既に日本の優れた検査機材が多く使われているのです。

小林久隆氏らのこちらの論文

近赤外光免疫療法による治療後の3次元低コヒーレント定量位相顕微鏡(3D LC-QPM)における細胞膜の動的変化

に使われている3D LC-QPM(3次元定量位相顕微鏡)は、浜松ホトニクスのものです。iPS細胞の研究にもよく利用されています。

浜松ホトニクス「位相イメージング技術(定量位相顕微鏡)」

蛍光色素等によって標識した細胞を観察する顕微鏡は、現在広く生物学・医学の分野で使われています。しかし、色素を用いる手法には、細胞の性質が色素の影響で変わってしまう、褪色の影響により長時間の撮像ができない、染色に時間と手間がかかるなどの問題がありました。私たちは光の「位相」を用いた、全く新しい顕微鏡を実現することにより、生きたままの細胞の形態や光学的性質を、色素を用いずにイメージングすることに成功しました。この、新しい顕微鏡「定量位相顕微鏡」を用いることにより、細胞の形態や表面形状・屈折率などの情報を、ナノメートル・ミリ秒の分解能で得ることが可能になります。

日本人が発明した医療技術を、日本の先端企業が応援する。一日も早く、日本のがん患者に届くようにと願っています。

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