サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

免疫療法で転移性乳がんが寛解

ステージ4の転移性乳がんが免疫療法で寛解とのニュースが流れています。

【6月5日 AFP】進行性の乳がんを患い、化学療法が効かずにがん細胞が他の臓器に広がっていた女性患者に対し、免疫系に働きかける実験的治療を施したところ、がんが完治したとの研究結果を、米国の研究チームが4日発表した。
末期乳がん、免疫療法で完治 世界初の試験結果発表 - 

私も速攻でツイートしておきました。

免疫療法が第4の治療法となるのはまちがいないです。これまで効果が期待できないと言われた乳がんでの研究です。

Nature Medicineの元記事を読むと、ずいぶんと前治療をやっていますね。乳がんは10年後に再発・転移することもあるがんです。

免疫チェックポイント阻害薬のペンブロリブマブとインターロイキン2にネオアンチゲン(TIL)療法を加えたものです。TIL療法は腎細胞がんに有効だと知られてきたものです。

インターロイキン2は、腫瘍攻撃力は大きく、効果はあるが重篤な副作用が頻発するので、あまり使われていません。この臨床試験でも実際にグレード4の骨髄抑制が発生しています。相当対応に苦慮したことでしょう。瀬田クリニックさんなども「IL-2は使わない」と宣言しています。

他の2症例は失敗したということであり、1例だけではなんとも言えません。オンコセラピー・サイエンスの膵臓がんペプチドワクチンでも、一人は寛解しましたから。

しかし、だんだんと希望は見えてきますね。免疫システムが底力を出せば、一晩で腫瘍が消えてしまうことすらあるのです。

元記事にはT細胞の培養法も詳細に記述されていますが、相当の金がかかるのではないでしょうか。

T細胞を、ペプチドパルスまたはTMG電気穿孔APCと、それぞれ樹状細胞またはB細胞に対して1:2.5または1:5の割合でインキュベートした。さらに、プレート結合OKT3(1〜10μg/ ml)の有無にかかわらず、媒体(DMSO)パルスAPCまたはT細胞のみをコントロールとして使用した。

こんなに丁寧にT細胞を培養している施設は日本には少ないでしょうね。

自費での少用量の免疫チェックポイント阻害薬と併用で免疫細胞療法をやっている、巷のクリニックがさっそく宣伝に使うのではなかろうか。

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