サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

NHKスペシャル 新型コロナ 全論文解読

昨夜のNHKスペシャル『新型コロナ 全論文解読?AIで迫る いま知りたいこと?』はいくつか見どころがありました。

20万件以上の論文を AI を使って解析したということですが、あの程度で AI と言っていいのかどうか、それは置いといて、いくつか気になる見所がありました。

新型コロナに感染して重症化する人にはビタミン D 不足が多いということも紹介されていました。

波長が222nm(ナノ・メートル)の紫外線が、人体には安全でコロナを不活性化させる。加湿器で湿度40~60%にするのが効果がある。などなど。

私が興味深く見たのは、新型コロナウイルスの脳への感染でした。 SARS-CoV-2が、細胞に感染する際の入り口で、ウイルスが受容体として使用するのが細胞表面に突き出ているACE2という受容体ですが、これは体のほとんどの臓器に存在しています。

そのために、季節性インフルエンザなどのウイルスが呼吸器にしか感染しないのと比較して、新型コロナウイルスは全身の臓器に感染することができ、その結果感染すると様々な症状が現れてくるのです。

新型コロナウイルスは、脳の記憶力や感情を司る部分に炎症を生じさせます。

その部分に存在するのが脈絡叢(脈絡叢)です。

この脈絡叢にはたくさんの ACE 2受容体が存在しています。

脈絡叢は頭の中に異物や細菌などが入らないようにバリアを構成しているのですが、新型コロナウイルスはこの脈絡叢のACE2受容体に結合することで細胞に感染し、脳のバリアを破壊してしまうのです。

この脈絡叢は人体の免疫システムとも重要な関係があります。

それについては昨年の記事で紹介したところですが 、新型コロナウイルスによる免疫の暴走、サイトカインストームなどもこうした現象が関わっているのかもしれません。

この記事の目的は、脳(神経系)と免疫系は密接に連携しており、むしろ免疫系が脳をコントロールしていることを、ミハル・シュワルツの著作を通じて、最新の神経免疫学の発展から明らかにすること。また、脳の健康を保つための方法が、実はがんを治癒に導くための方法と、多くの点で共通していることを示そうと思います。脳と免疫系のパラダイムシフト21世紀の初頭までは、脳や神経系と免疫系とは独立しており、脳の健康と免疫系とは無関係であり、免疫の働きに付きものの炎症は、抑えるのが医学界の常識でした。脳内に免疫細胞はいて...
今日の一冊(112)「神経免疫学革命」 - 残る桜も 散る桜

免疫細胞は、脳の特別な境界(脈絡叢)に存在し、脳に分子を送り込んだり、入っていったりして脳の修復を手伝うのです。肉体の健康が、精神の健康を左右し、思考、判断、学習、感情表現にしかたに影響を及ぼしており、それは免疫系を通じてなされているのです。免疫系は、精神と肉体を繋ぐキープレーヤーの一員なのです。

マスクが新型コロナウイルスに対する免疫を作るって話も面白かったですね。

マスクによってウイルスが遮断されるが、微量のウイルスは入ってくる。それによって弱い感染が生じて、免疫細胞が訓練され、抗体ができて免疫力が少し上がる。それを繰り返すことで、通常の3倍以上のウイルスに対する抗体ができるという研究です。

マスクはまた、喉や鼻の保湿と保温にも効果があります。

手洗い、マスク、三密を避けるなどの対策とともに、こうした新しい知見も取り入れて、なんとかコロナ禍を乗り切りましょう。

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