サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

ASCO 2008の生存率

ASCO 2008(5/30-6/3) CONKO-001において腫瘍切除後の膵癌患者にゲムシタビン(ジェムザール)を投与した場合の第Ⅲ相試験の結果が発表されている。ASCO 2005 での口頭発表、2007年1月のJAMA誌での経過報告を経て最終発表が行なわれたものです。

それによれば、初期膵臓癌の術後補助化学療法としてのジェムザールの優位性が明らかになった。

エリアレビュー・膵癌【ASCO2008】──杏林大学医学部腫瘍内科学教授古瀬純司氏
アジュバントのスタンダードはゲムシタビンが共通認識に(PDFファイル)

上の図は、無病生存率(DFS)を表わしている。図の青い曲線が術後ジェムザールを投与された患者で、赤い曲線が投与されなかった対照群である。縦軸は累積生存率(cumulative survival)で、横軸は無病生存期間(転移や再発をするまでの期間)。

この図を見てまず感じたのは、指数関数に似ているなぁというこ
と。放射性同位元素の減衰曲線などの指数関数 e(-λt)によく似ている。最初は急激に減少するがその後は減少は穏やかで、ある値に収束する。ジェムザール投与群は半減期12ヶ月の放射性壊変であり、対照群は半減期6ヶ月の放射性同位元素の壊変に近似できそうである。12ヶ月あるいは6ヶ月で50%の患者がバタバタと亡くなっていく。すい臓がんが「癌の中のキング」と言われる所以である。がんの生存期間中央値が放射性同位元素の半減期ということになります。

全生存率(OS)は次のようになっているが、これには再発・転移した患者も含まれているから無病生存率よりは高いパーセントになる。

次の表は、生存率などの数値をまとめたものである。

このデータを見て感じることは

昨日のブログにも書いたように、転移ではないことも分かり、とにもかくにも一年生き延びることができた。あと一年生きることができるかどうか、確率は50%である。しかし、放射性同位元素の壊変は純粋に確率的現象であるが、人間の病気はそうではない。現在の私が50%死んでいるわけではないし、次の一年後に私の身体の25%が生きているわけではない。ある原子核が次の瞬間に壊変するかどうかは確率的現象であるが、私が次の一年に生存率1.0となるか、0.0となるかは、自分で決めることができる。ASCOの報告は、『現在の癌治療の限界』を表わしているに過ぎない。病院や医者に任せるだけで、この「確率の舟」に乗れば、グラフに従って運命が決まっていくというだけのことだ。仮にこの「確率の舟」に乗ったとしても、7年後には13%の患者は生き延びて「癌サバイバー(生還者)」となっている。だから非常に小さいが、希望はある。放射性同位元素の減衰曲線は、限りなくゼロに近づいていくが、がんの生存率曲線はゼロになるとは限らない。いや、ゼロになることはほとんどない。必ず何パーセントかの長期生存者がいる。これが違う点であり、希望を持っても良いという根拠です。

現在のすい臓がん治療の現状が、良くなったとはいえ上のようであるなら、標準的癌治療以外の領域で、自分で自分の運命を切り開くしかない。そのために、

以上を今後の癌治療、闘いの戦略として、のんびりとやってみる。

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