サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

「がんペプチドワクチン療法」は夢の治療法か?(3)

臨床研究の現状

ガンペプチドワクチンの臨床研究は、各地の大学病院で行なわれているが、書籍『ガンペプチドワクチン療法』からその現状を概観してみる。

●膵がん
NHKをはじめとしたマスコミでも報じられたように、和歌山県立医科大学での膵がんに対するガンペプチドワクチンの効果が注目されてきたが、我々膵臓がん患者にとっては大きな期待を抱かせるものである。

膵がんに対する臨床研究は、腫瘍新生血管を傷害するVEGFR2をターゲットとした方法である。HLA-A2402陽性で、前治療のない局進行切除不能、沿革転移を有する膵がん、再発膵がん患者18名を登録して実施された。VEGFR2ペプチドの投与量を、0.5mg、1.0mg、2.0mgとし、それぞれ6名の患者を振り分けた。ジェムザールの標準投与量(1,000mg/㎡)をあわせて投与した。

安全性を評価する第Ⅰ相臨床試験であることを考慮すると、現在進められている第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(PEGASUS-PCスタディ)の結果が期待される。

24ヶ月生存していたのはたった一人で、クローズアップ現代でも紹介された硲禎己(はざまていじ)さんですが、今年の8月に惜しくも亡くなられています。

膵がん以外の他の腫瘍の臨床試験については生存率曲線は載せられていない。

●膀胱がん

●腎がん

6例に投与中であり、途中経過。

●肝細胞がん

●大腸がん

●食道がん

完全消失(CR)が1例、SDが3例、PDが6例であった

●肺がん

完全奏功と部分奏功ともにない。成績が悪いがん。

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