サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

「百万回の永訣」再放送

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柳原和子さんの再発後の闘病を記録したドキュメント「百万回の永訣」が、NHK BSプレミアムで再放送されます。

9月1日9:30~、9月2日1:00~の2回

収録時間/120分   初回放送日/2007.03.04
ノンフィクション作家の柳原和子さんは47歳で卵管がんを患い、4年前に転移が見つかった。医師からは「短くて半年、長くて2年の命」と宣告された。それ
から柳原さんは、納得のいく治療法を求めて様々な専門医を訪ね、徹底的に対話し、「患者に希望を与える医療とは何か?」を問い続けていく。これは一人の患
者にカメラを密着させ、医師たちのやりとりを見守り続けた壮絶な3年半の記録である。


初回放送は2007年3月らしいから、当時がん患者でなかった(直腸がんは完治していた)私には興味がなかったのでしょうね。見ていません。しかし、同じ題名の著作『百万回の永訣―がん再発日記 (中公文庫)』は読みましたが、なんというか、彼女のがんへの向き合い方が、いまいち釈然としません。卵巣がんを完治して、その闘いの過程を綴った『がん患者学』の彼女とどこか違うような違和感があります。

初発のがんの時に知り合った、日本のがん治療界におけるそうそうたる先生方に相談や診察を受けることができるという幸運な立場にいることが、がんに対する知識が豊富にあることが、逆に悩みを多くしているような気がします。それにがんと向き合うのに真剣すぎる。死を受容しているかのような文章があり、随所に挿入された歌にもそのような覚悟が表現されているのですが、一方で腫瘍が縮小せず効果がないと感じている北陸のオステオパシーの治療師のもとに通い続ける。

誤解を怖れずに書けば、がんとの闘いに生き甲斐を感じているようにも受け取れるのです。私の勘違いかもしれません。しかし、暗い。第二章の導入部は「再発である。さわやかな秋晴れの朝だった。」で始まる。文章はうまい。でも一所懸命つま先立ちしている感じがするのです。笑いやユーモアがない。これでは精神的にも疲れてしまうでしょう。

やはりがんが再発・転移したときには、『がん患者学』というすばらしい著作を書いた彼女にしても、同じように悩み、迷うのだと。私だったらどのように判断するのか、そうした視点で読んでみました。

ま、こんな疑問が解消されることを期待して、9月1日の再放送を見ることにします。

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