サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

心が免疫系に与える影響(3)

精神生物学―心身のコミュニケーションと治癒の新理論』では、「肉体の病気を、心や精神的な方法を用いて治療することが本当に可能なのか」という疑問に、現在得られている科学的知識をもとにして応えようとするのである。しかし、まだ答えへの道のりは遠い。

心の有り様ががん、がんの予後に影響することは「経験的」には確からしいと思われている。多くの医者もそのように言う。いまでは、心(脳)から、からだ、細胞、遺伝子にいたる情報が「情報伝達物質」によってコントロールされていることが分かっている。これこそがホメオスタシスの実体である。IL-2などの伝達物質を大量に投与すれば「魔法の弾丸」のように効果があるだろうとする説は、残念ながら効果がなかった。それは混雑する劇場で「火事だ!」と叫ぶようなものだった。複雑系である人体に対して、大量の情報を与えれば良いというものではない。では、どうすれば心の有り様でがんをコントロールできるのか。イアン・ゴウラーやノーマン・カズンズがその実例を示している。また、シュレベールは『がんに効く生活―克服した医師の自分でできる「統合医療」』で、よりわかりやすく解説してくれている。彼もまた奇跡的回復の事例を体験したひとりの患者であった。彼らの著作から多くのことを学ぶことができるだろう。

本書から重要だと思ったことを抜き書きしておく。

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