最近Medエッジに膵臓がんに関する記事が連続しています。
- アレルギーのある人は膵臓がんになりにくいと判明、果物と葉酸でも防げる
- 膵臓がんに多い「膵管腺がん」、がん化の新しいメカニズムを解明
- 膵臓がんの始まりか、増える細胞を密閉する「S1P2」の減少が異常を招く
- 乳がんや膵臓がんの「みなしごタンパク質」、ブロックしたらがん細胞の分裂がストップ
- なぜ糖尿病だとがんの死亡率が高くなるのか、原因の一端は薬の飲み方に?
- 膵臓がんに急展開か、膵臓細胞から作られた「オルガノイド」とはいったい何か?
- かつての天然痘ワクチン、膵臓がんの「がんウイルス療法」に、抗がん作用の増強成功
- 膵臓がんに抗がん剤をぶつける、開発中止の薬の思いがけない効果を生かす
- がんターゲットに「第3の選択肢」か、膵臓がん細胞で効果、有力国際誌で報告
今年に入ってから今日までに、これだけの記事が載せられていました。すぐに患者が応用できるものとしては、本日付の「アレルギーのある人は膵臓がんになりにくいと判明、果物と葉酸でも防げる」でしょうか。
研究グループは、「メタアナリシス」および膨大なデータを解析した「プール解析」の情報を収集して、膵臓がんの発症、予防に対する寄与度を計算した」そうです。
結果として、強い根拠の裏付けの元でたばこが強力な危険因子であると分かった。がん全体への推定寄与度は11%~32%と大きい。さらに、一般的に胃がんと関係するとされるヘリコバクター・ピロリ菌の感染が中程度の根拠の裏付けの下でやはり危険因子になると分かった。推定寄与度4~25%であった。
逆に膵臓がんからの保護につながる因子は、強い根拠の裏付けの下でアレルギー歴であると分かった。保護因子の中での推定寄与度としては3~7%と大きくはないものの膵臓がんになりにくくなる傾向があるようだ。
さらに、果物、野菜に多い葉酸を取ることは中程度の根拠の下で予防につながると分かった。推定寄与度は0~12%であった。
膵臓がんと関連する主要因子の約3分の2は人が変えられるものだ。
致死性のがんを減らすのは行動だ。
花粉症にかかりやすい人は膵臓がんになりにくいとは、以前から言われているのですが、再確認された感じですね。膵臓がんになってしまった患者にも葉酸が効果があるのかどうかはわかりませんが。
私は花粉症の気はまったくありません。だから・・・・か?
『膵臓がんに多い「膵管腺がん」、がん化の新しいメカニズムを解明』も興味をひきます。KRAS遺伝子の異常によって、いわば細胞分裂のアクセルが踏みっぱなしになった状態が膵臓がんには多いと言われていました。
さらに「ATDC」という遺伝子の導入によって、膵臓の「上皮」とよばれる部分にがんが早くからでき始め、他の場所への「転移」や「浸潤」が促進された、と。
ATDC遺伝子は、「毛細血管拡張性運動失調症」という病気に関連している、DNAに傷がついたときの修復遺伝子だ。
予後の悪い膵臓がんの原因が突き止められて、さらに良い治療法が確立されることを願っています。