サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

サバイバー5年生存率:1.3%に入るための治療法がある

膵臓がんで、遠隔転移があるステージ4の5年相対生存率は1.3%です。数字を見れば絶望的になっても無理はありません。標準治療でできるのは抗がん剤だけであり、効果がなくなればあとは延命治療、緩和ケアになります。

1.3%もの希望はある

しかし、見方を変えれば、1000人のうち13人は5年生存していますし、10年生存率も1.2%ですから、5年を生き延びた患者の多くは10年生存していて「完治」と言ってもよいのです。1.3%の希望はあるのです。

上の「サバイバー5年相対生存率」のグラフを見てください。1年サバイバーがあと4年生き延びる確率は20%、2年サバイバーでは40%、3年サバイバーでは60%、4年では80%と、徐々に高くなっていきます。

「がんの王様」と言われる膵臓がんですが、2年をクリアすれば、肝臓がんよりも生存率は高くなるのです。

標準治療のすきまを埋める

では、5年サバイバーの1.3%に入るためには、どのような治療法を選択し、何をすればよいのか。これが多くの膵臓がん患者の知りたいところです。旧『すい臓がんカフェ』(現在は『膵臓がん患者と家族の集い』)でも、もっぱらこの話題が中心になっています。

1.3%の5年生存率は、標準治療という枠内での数字であって、さまざまな治療法の選択肢を探し、標準治療のすきまを埋めていけば、少しでも数字は上がってくるはずです。

「2年経ってもまだ40%か!」と考えるか、それはコップの中に酒が「もう4割しかない」と考えるか、「まだ半分近く残っている」と考えるのかの違いに似ています。絶望の暗闇の中で「希望」を見つけることが、その後の治療への効果や余命にも確実に影響してきます。

どうすれば1.3%に入れるのか? 100%確実な答えなどありません。このブログには10年サバイバーとなった私の経験や考えを書いていますが、同じことをすればよいのかと言われれば返答に窮します。あくまでも個人の体験でしかないのです。

しかし、多くのサバイバーに共通したがんとの戦い方があるはずです。

当たりくじのある代替療法を選ぶ

巷にはたくさんの代替療法がありますが、いかがわしいものから少しは効果のありそうなものまで、ピンキリです。確かなエビデンス(科学的な証拠)がないから標準治療ではなく代替療法なのですが、「エビデンスがない=効果がない」とは違うのです。

100人のうち51人に効果があれば標準治療として認められます。49人ではダメなのです。しかし、漢方などのように、効果が実感できるという治療法は存在するのです。一方で、多くの代替療法は100人のうち効果のあるのは0人です。

がんの治療法の選択は「ギャンブル」です。その治療法が、効果のあるのは49人なのか0人なのか、当たりくじが入った箱なのか、当たりくじのない、いかさまくじなのかを見極める知識が必要です。

「ギャンブル」に必勝法はありません。「必ず儲かる」という方法があるというのはいかさまにまちがいないです。がん治療でも同じです。「必ず治る」と謳う治療法は100%インチキです。

標準治療が基本

がん細胞の数をざっくりと減らすには、標準治療が一番強力です。標準治療を上手に受けることが重要です。標準治療でも選択肢があり、手術なのか放射線なのか、主治医やセカンドオピニオンを活用して最適な治療法を選ぶことです。

しかし、標準治療には限界があります。抗がん剤はいずれ効かなくなってきます。一時は小さくなっても、抗がん剤で腫瘍が消えることはまずありません。

最期の最期まで抗がん剤を投与することは、返って余命を縮めることにもなります。

覚悟を決める

膵臓がんになったら、まずは死ぬ覚悟を決めましょう。私もそうやってきました。覚悟を決めることは絶望を受け入れることではありません。現在の医療の限界を素直に受け入れることです。その上で、自分にできることを探すのです。覚悟を決めたら、残された時間をどのように過ごすのか、自分なりの死生観と人生観を考え直すのです。

がんと闘うだけで、残された時間を費やすのは「もったいない」です。食事療法もサプリメントも、よく考えて採用すればよいですが、より大切なのは、がんであろうがなかろうが、生きる価値のある人生にするのかどうかです。

シュレベールは次のように語っています。

免疫細胞は、客観的に見て、より”生きる価値”があるように見える人生を送っている人間の体内では、それだけ活発に動くかのように見える。

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