サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

吾が生既に蹉陀(さだ)たり。諸縁を放下すべき時なり。

今日は昔参加していた写真サークルの50周年記念のパーティでした。半世紀も続いている歴史のあるサークルです。

十数年ぶりに会う方も多く、第一印象は、皆さん歳をとったなぁ。

膵臓がんを告知されたとき、こりゃ写真を撮っている場合じゃないや、死ぬ準備をしなければと思い、退会の申出には、

日暮れ、塗(みち)遠し。吾が生(しょう)既に蹉陀(さだ)たり。諸縁を放下すべき時なり。信をも守らじ、礼儀をも思はじ。この心をも得ざらん人は、物狂ひとも言へ、うつつなし、情なしとも思へ。毀る(そしる)とも苦しまじ。誉むとも聞き入れじ。

と、徒然草の百十二段を引用してかっこうを付けたものでした。

吉田兼好のように、諸縁を切り離して、我が心のままに生きようと決めたのでした。

あれから12年経ち、たまたま生き残っただけのことですが、当時の気持ちは今でも持ち続けているつもりです。しかし、

「信をも守らじ、礼儀をも思はじ」

を貫くと、向かい風も強くなるので、いささか面倒くさい気にもなる。

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