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ビタミンDの新たなエビデンス

ビタミンDに関する新たな臨床試験の結果が出ています。

ダナファーバーがん研究所の、遠隔転移を有する大腸がん患者に対するビタミンDの最初のランダム化臨床試験の結果、がんの進行を遅らせることができた。

・遠隔転移を有する大腸がん患者に対するビタミンDの最初のランダム化臨床試験で、化学療法と高用量ビタミンDの併用…
高用量ビタミンDが進行大腸がんに効果 - 海外がん医療情報リファレンス

「われわれの知る限り、この試験は進行大腸がんおよび遠隔転移を有する大腸がん治療に対するビタミンD補充に関して初めて完了したランダム化試験です」と同医師は述べています。

標準の化学療法とともに、1日当たり4000国際単位(IU)のビタミンDを含む錠剤を投与し、他方の群には化学療法とともに400単位(マルチビタミン中に含まれるおよその量)を投与した。

その結果、高用量群では、疾患が悪化するまでの遅延の中央値が13カ月であり、低用量群では11カ月であった。さらにビタミンD高用量群では22.9カ月のフォローアップ期間中の疾患の進行および死亡が36%少なかった。

患者数が少ないので、生存期間が延びたかどうかの評価はできませんでした。

これまでもビタミンDに関してはさまざまな評価がされています。否定的なものでは、

この記事の3つのポイント ・術後消化管がん日本人患者が対象のランダム化試験 ・ビタミンD補充療法による再発抑制効果を検証 ・再発または死亡のリスクを24%減少するも有意差は確認されず 2019年4月9日、医学誌『JAMA Network』にて術後消化管がん日本人患者に対するビタミンD補充療法による再発抑制効果を検証したランダム化のAMATERASU試験(UMIN000001977)の結果がJikei University School of MedicineのMitsuyoshi Urashima氏らにより公表された。 本試験は、術後食道、大腸などの消化管がん日本人患者(N=417人)に対してビタミ...
術後消化管がん日本人患者に対するビタミンD補充療法、プラセボに比べて5年無再発... - がん情報サイト「オンコロ」

とか、

この記事の3つのポイント ・ビタミンDの摂取量とがん発症リスクの関係性についての5000人以上の大規模比較試験 ・ニュージーランドにて月1回の通常の約450倍のビタミンD投与群とプラセボ群のがん発症率を比較 ・月1回のビタミンD摂取ではがん発症のリスクを軽減する効果はない 2018年11月8日、医学誌『JAMA Oncology』にて高用量ビタミンDの摂取量とがん発症リスクの関係性についてを検証したランダム化比較試験(ACTRN12611000402943)の結果がUniversity of Auckland・Robert Scragg氏らにより公表された。 本試験は2011年4月5日より...
月1回の高用量ビタミンD摂取はがんの発症リスクを軽減しない | がん情報サイト「オ... - がん情報サイト「オンコロ」

がありますが、一方で肯定的な評価もありました。

ビタミンDの癌化学予防における有用性を示唆した研究はいくつかあった。国立がんセンターのSanjeevBudhathoki氏らは、多目的コホート(JPHC)研究の一環としてケースコホート研究を行い、中央値15.9年の追跡で、血漿中の25-ヒドロキシビタミンD濃度が高い人では、その後のあらゆる癌と肝臓癌のリスクが
血中ビタミンD濃度が癌の発症率と逆相関 - 日経メディカル

主にがん予防とビタミンDの関連を調べたものでしたが、今回は遠隔転移のあるがん患者の予後についての研究です。

代替療法については、はっきりした結論が出るまでには肯定否定の両論が出るのが通常であり、だからこそ「代替療法」なわけですから、一喜一憂せずに患者としては次のように考えておけば良いでしょう。

ビタミンDに関しては、このブログでもたびたび取りあげていますが、肯定的な論文がいくつも出ています。

私もかれこれ10年くらい、ビタミンDを毎日1000IU摂っています。代替療法に関しては次のような基準を考えて選択してます。

この基準に合うサプリメントとして、EPA/DHA、メラトニン、ビタミンDの3種類だけを摂っています。

この研究の結果を受けて、大規模な臨床試験を計画していると書かれていますが、現在がんになっている患者は、それまで待てないでしょう。

上の基準に合うのなら、試してみれば良いのです。仮に効果がないと判明しても損害は最小で済みます。

がん患者がビタミンDを試さないのは、勿体ない!!

ビタミンDは日光浴をすれば15分ほどで一般の人には充分は量が皮膚で産生されますから、サプリメントからの補給は必要ありません。しかし、一日中部屋の中で過ごすような方、あるいは緯度の高い地方に住んでいる方は不足しがちですからサプリメントで補給することも考えて良いでしょう。

厚生労働省のビタミンD摂取基準は400IUとなっていますが、これでは低すぎます。ダナファーバー研究所の例でも触れられていますが、

研究者らは、25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)濃度の変化を測定するために患者から採血した。これはヒトのビタミンDの充足状態を判定する標準の検査である。この検査では、治療開始時に十分なビタミンDを摂取していたのは、臨床試験に参加した患者のわずか9%であったことが示された。

一般にがん患者は充分な量のビタミンDを摂取していません。

『ハーバード医学教授が教える健康の正解』では、著者は毎日ビタミンDを4000IU摂っていると述べています。

テレビからネットまで膨大な「健康情報」があふれているなか、いったい何を信じればいい?ハーバードメディカルスクールの教授であり医師としても活躍する著者が、無数の情報の中から信頼できる研究を分析し、「少なくともこれだけは間違いなく『いい』と断言できる」といえる食物・習慣を抽出した。それをまとめたのが『ハーバード医学教授が教える健康の正解』だ。ここではその内容から一部を特別公開する。
ハーバード教授が「ビタミンDだけはサプリを摂る」という理由 - ダイヤモンド・オンライン

4000IUまでなら安心して摂取しても良いと思います。私のお薦めは大塚製薬のものですが、製造元はアメリカです。品質が保証できて安価です。

がん患者なら、一粒1000IUを一日3回摂ればよろしいでしょう。

 

下にある「このブログの関連記事」には、ビタミンDに関する記事の一部を挙げてあります。

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