サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

「水素水」は似非科学

先日の『膵臓がん患者と家族の集い』で、「水素水はどうでしょうか?」とか、「フコイダンは?」と言う質問を何人かの方からいただきました。

『膵臓がん患者と家族の集い』の基本的姿勢は、

「いかなる治療法についても、否定も肯定もしない」

との立場ですと断った上で、私個人の考えを述べさせていただきました。

水素水は一時ブームになりましたが、今はそれほどでもないようですね。がんと言われたら、だれでも「何か効くものはないか」と探すのは、当然のことです。

しかし、そのサプリメントなどの科学的な根拠を確かめることをぜひやって欲しい。インターネットにはいろいろな情報がありますが、患者はどうしても「これで治った」というような体験談に惹かれがちです。

健康食品やサプリメントなら、「健康食品の安全性・有効性情報」でまず調べて欲しいものです。ここの「素材データベース」で検索すれば、ほとんどのものが出てきます。

最近よく聴く「ノニジュース」などについていも書かれています。

フコイダンについても、基本的な情報を得ることができます。

水素水についていえば、「似非科学」です。たくさんの研究がされていますが、どれも「抗がん剤の副作用低減効果」などの限定的な結果で、それも研究によって結果の信頼性にばらつきがあります。水素の抗酸化作用についても、確かな根拠に乏しいのが現実です。

過去にいくつかの詳細な記事を書いているので、こちらも参照してください。

 ガラスの森美術館にて水素水があいかわらずブームですね。アフィリエイト目的のサイトもたくさんあります。水素サプリメント、還元水素水、電解水素水、水素風呂、マイナス水素イオン、プラズマ水素、水素吸蔵サンゴ、水素吸蔵ゼオライト、活性水素・・・。水素と名のつくたくさんの健康法が氾濫して、どれがどう違うのか、混乱しそうです。がん患者の中でも関心が高いもののようです。それで、中心的と思われる 活性水素水(電解還元水):白畑實隆 水素水:大田成男 (こちら)について考えてみました。「活性水素水」は、九...
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実は私たちの体内では日々水素が多量につくられています。大腸には水素産生菌がいて、水素を産生しているのです。

おならの量は食べ物や体調によっても異なりますが、1回で数ミリリットルから150ミリリットルほど、一日で約400ミリリットル~2リットル出るといわれています。

おならの主な成分は、飲み込まれた空気中の窒素が60~70%、水素が10~20%、二酸化炭素が約10%、そのほか酸素、メタン、アンモニア、硫化水素・・・などです。

おならとして外部に出る以外は体内に吸収されて血液循環に乗っていきます。これは、水素水から摂取する水素量と比べてはるかに多量です。

体内で大量に造られているものを、わざわざ水素水として飲む必要はないし、飲んだって、わずかにその量が増えるだけです。そのために高額な機械や水を買うのは馬鹿げています。

さらに専門的に知りたければ、こちらのサイトが良くまとまっています。

以上が私の見解ですが、これもネット上の”怪しげ”な情報かもしれないですから、自分でよく考えて、取捨選択してくださいね。

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