サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

肥満は膵がん術後の死亡率を2倍にする

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玄関先にスノーフレーク(鈴蘭水仙)が咲きました。pivoさんからこの花の名前を教えていただきました。


体格指数(BMI)の値が35を超える肥満者は、リンパ節転移が広範で生存率も低く、術後の再発率が高い膵がんを発症しやすいという報告が「JAMA/Archives journals」(JAMAはアメリカでもっとも権威のある医学系雑誌)の1つ、「Archives of Surgery」誌3月号で、テキサス州立大学 M. D. アンダーソンがんセンターのJason B. Fleming氏らが発表した。(がんナビのページより) 元の英文記事(要約)はこちら

今回対象としたのは、1999~2006年に膵がんの治療で膵切除術(膵部分切除あるいは膵全摘)を行った患者285人。
BMIが35を超える患者では13.2カ月、BMIが23未満の患者では27.4カ月が生存の中央値であった。
BMIが35を超える肥満患者では、BMIが35以下の非肥満患者と比較して、リンパ節転移のリスクが12倍、膵切除術後のがんの再発と死亡のリスクは非肥満患者のおよそ2倍であった。がんの再発は、BMIが35を超える患者では95%、BMIが35以下の患者では61%に認められた。

国立がんセンターの「日本人のためのがん予防法」でも肥満は、喫煙・運動不足と並んで膵がんのリスクを高める因子であると書かれているが、それだけではなく、術後の再発率に関しても主要な宿主因子であることが明らかになったということです。

ASCO 2008の生存率」で書きましたが、術後ジェムザールを投与した場合の無病生存率(3年)は23.5%、無病生存率(5年)は16.5%です。この記事によるとBMIが35以下の患者では39%(再発患者が61%ですから)になります。期間が書かれていないのですが、調査期間が1999~2006年ということですから、2~9年くらい経過している患者の現時点での成績ということでしょう。非肥満者の無病生存率は、ASCOの無病生存率よりは高いはずです。

つまり、「統計値」というものは、このように当てにならない。というか、注目する因子を変えただけでその意味する内容が変わってしまいます。ASCOのデータは「肥満度」は考慮せずに「十把一絡げ」で統計処理したもの。肥満度を考慮し、性別を考慮し、民族や人種、生活環境まで考慮したら、そもそも統計の対象となるようなたくさんのサンプルは集められないわけですから、これが統計の宿命でしょう。『統計は統計、私は私』。統計値で悲観的になる必要もないということです。

ただ、BMI35以上というと、身長169cmの私の場合、体重が100kgでちょうど35.0となります。コーラとマクドナルドで超肥満となる人の多いアメリカでは結構多いのかもしれませんが、日本人では珍しい部類になるのではないでしょうか。現在の私のBMI指数は21.7、膵がんになる前は最大で29くらいでしたが、これでも「高度肥満」に後一歩という数字です。23未満では生存期間中央値が2倍ほどに長くなるということですから、今後も運動と食事に関心を払い、現状を維持するように努めることが大事だということに違いありませんね。

『ともかく、歩け、歩け』『玄米菜食で腹6分目』と、このブログで書いて実行してきましたが、このニュースを見て、これがやはり膵臓がんの再発を抑えるための重要な一つの方法だということを確信しました。今日もJRのほぼ一駅分(蒲田から大森まではJRの駅間距離では結構長い方です)を、往復で歩きました。

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