サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

病院の休日

昨日で点滴も終わり。病院での週末は退屈だ。ノートPCを持ってきたので、インターネットラジオで音楽を楽しんでいる。

この病院に入院するのは11年前の直腸がんのとき以来だが、いまではベッドサイドの床頭台にLANケーブルがきている。1日300円でインターネットは使い放題だが、いかんせん速度は速いとはいえなく10Mバイトだ。それでもないよりはよい。持参したストレートケーブルでは接続できなかったので確認してもらったら、クロスケーブルになっているようだ。売店でレンタルする。OTTAVAとWinampのラジオを流しっぱなしにして聴いている。

病室は消化器内科で、同室の患者は一人が来週手術の予定。もう一人は検査の結果異常なしということでまもなく退院するらしい。あとの三人は末期がん患者である。若い二人が痛々しい。私が入院した先週は自分でトイレにも行けていたのが、わずかに数日でトイレにも一人では行けなくなり、ベッドの上でおむつを交換してもらっている。

痛みも激しいようでモルヒネでコントロールし切れていない様子だ。レスキューで痛み止めを飲んでいるが、あまり効いているようには見えない。WHOの三段階序痛ラダーで対応しているのか気になった。というのは、看護師が「あまり続けてレスキューするのは良くないよ」などと言っている。痛みを確実に取ることの重要性が看護師にまで徹底しているのか心配になってきた。大腸がんが肝臓と肺に転移しているそうだが、試しに抗がん剤をやったらこんなになってしまった、と言っている。まだ三〇代の半ばか。すでに本人は治らないことも死も覚悟している。「人生にまだ何かやり残したことがあるような気がして・・・」と力なく笑っている。自宅で最後を迎えたいようだが、トイレにも一人では行けないので悩んでいる。介護ヘルパーさんだけでは対応しきれないからだ。自宅での最後は望ましいが、家族がいることが必要条件だろうと思う。

病棟には膵臓がんの患者も二人いて、デールームで話をしたが、「国立がん研究センターに行ったが、手術ができないと言われた。抗がん剤ならここの病院でよいということで帰ってきた。昨日一回目の抗がん剤をやった」という。GEMなら外来でできるはずだが、入院してやる抗がん剤治療は何なのか、訊くのも躊躇する。私のことも訊かれたが、膵臓がんで手術したとはいえなくて腸閉塞で入院したとだけ言った。本人は抗がん剤をやれば治ると思っているのに、延命効果だけだよとは言えやしない。

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