サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

『がんの統合医療』(2)

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四万ダム湖の紅葉。4年前は大雪の日に訪れたが、今年はすばらしい紅葉に出会えた。宿も同じ「鹿覗キセキノ湯 つるや」 ↓ 紅葉を眺めて露天風呂を独り占め



『がんの統合医療』から、食事とがんに関する部分を抜き出してみます。

「4章 食事とがん:疫学と予防」から、

食事とその栄養素,そして生理活性を有する食品成分(bioactivefood components : BAFC)は,がんに対する宿主の反応を強化する重要な役割を果たす.さらに,食事自体が修正可能ながんリスクファクターである.年齢や遺伝的素因などとは異なり,食事の選択はがんのリスクを減らすことを目的として変更が可能である.

食事の推奨事項は米国立がん研究協会(AmericanInstitute for Cancer Research : AICR)と世界がん研究基金 (WorldCancer Research Fund : WCRF)が合同で出した成果は,がんのリスクを減らす推奨事項の最新情報であり, 米国がん学会(ACS)の推奨事項を支持する内容となっている.

2つの組織の一貫した推奨事項は明らかである.実際,がんのリスクを減らすための最近の食事についての推奨事項は,体重管理,心血管疾患のリスク減少,脳卒中の予防,糖尿病のコントロールにもあてはまる.

体重の管理

体重のがんのリスクへの関与が推奨事項の大部分におおいに影響を与えていることは明らかである. 特に,大人になってからの体重増加を回避して適正体重を達成し,それを維持することが,がんのリスクを軽減させる重要な推奨項目である.野菜や果物,食物繊維をたくさん摂取することでカロリーを抑え,体重管理を可能なものにする  .逆にいえば,脂肪や甘味飲料の摂取により体重は増加する.過体重や肥満はがんになるリスクを 14~20 %増加させるといわれている.

そして,肥満の状態が,閉経後の乳癌,胆嚢癌,大腸癌(男性),卵巣癌,膵癌,子宮頸癌,子宮内膜癌,食道癌,多発性骨髄腫などに影響するとされている. また特に前立腺癌の場合には,過体重のために診断時のステージ(病期)がより進行しているというエビデンスが示されている.

肥満は,ホルモン濃度の変化,免疫応答の抑制,炎症性サイトカインや増殖因子(インスリン,インスリン様成長因子)の上昇などのさまざまな生物学的機序や身体活動への影響を通して,発がんの過程に変化を与える. 肥満者はまた,高いレベルの酸化ストレスを示すが,これにより,局所および全身の炎症反応を導き,結果として細胞傷害を引き起こす可能性がある.

がんにおける栄養学的介入

炭水化物の摂取については, 2型糖尿病とがん発症との関連が広く知られるようになり,がんにおける大きな関心事となった. 肥満,
2型糖尿病,メタボリックシンドロームはインスリン抵抗性をきたし,慢性炎症や高インスリン血症を引き起こす (Bastard,etαl.,
2006). サイトカインの異常とインスリン様成長因子(IGF)
-1の上昇はともに,がんの増殖を促進させ,また高インスリン血症と関連していることが知られている.

がん患者は,インスリン値の持続的な上昇を最小限にするために,炭水化物は全粒穀物や食物繊維に富んだ野菜から摂取し, 精製された小麦粉や砂糖は避けるべきである.

赤身肉,レバー,ベーコンを毎日 1回,摂取するごとに,乳癌再発のリスクが倍になることが観察研究で明らかにされている (Hebert,Hurley, & Ma, 1998) .赤身肉は,悪性疾患を引き起こすオキシタントである鉄分を多く含む.

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