サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

膵癌患者の糖尿病対策:緩やかな血糖値管理で良い

膵臓がん患者にとっては、がんの治療と同時に糖尿病対策も大切です。糖尿病を併発する場合が多いからです。膵臓を全摘出している場合はインスリンの注射が欠かせませんし、部分摘出あるいは手術ができなかった場合も、膵臓の機能に何らかの影響が及ぶことが多いのですから、日常的な血糖値の管理が重要です。

私の場合では、膵頭部をわずかに残して膵体部・膵尾部を切除し、インスリンを分泌するβ細胞が多く存在する部分を切り取ったわけです。それにもかかわらず必要な量のインスリンが分泌されていました。それはごく少量のSU薬・アマリールを服用していたためかもしれません。しかし昨年末頃から食後血糖値が300mg/dLを超えることがありました。考えられるのは、甘いものやビールを摂りすぎたこと、食事が糖質の多いものに偏っていたことが一つ。もしかするとアマリールの二次性無効(長期間飲み続けると次第に効かなくなる)によるものかもしれません。今後どのように糖尿病への対策・血糖値の管理をしていくべきなのか、そのためにも、ここで糖尿病に関する基礎知識を再確認しておこうと思います。

結論めいたことを箇条書きにします。

この点を誤解している糖尿病専門医や患者が多い。がんの治療において腫瘍マーカーを下げることが目的だという医者はいないだろう。目的は腫瘍を大きくしないこと、できうるならば治癒したいのであって、治療の効果が出ているかを確認するために腫瘍マーカーやCT撮影をするのです。血糖値測定も同じです。

がん患者の糖尿病治療(血糖値管理)における重要点

アマリールを飲んでいる私が、このように書くのは矛盾していると思われるかもしれません。理由は、まだまだ食事・運動(睡眠は充分でストレスはない)でコントロール可能だと考えていること。インスリン注射は、そのときどきの必要量ぴったりにすることが難しく、確実に過大量になる期間がある。そしてインスリンには細胞分裂を促進する作用があり、体内にがん細胞があった場合に再発、増大を誘発する恐れがある、と考えられるからです。アマリールなどのSU剤にも発がん性や別の副作用があるのですが、どちらを選ぶかは迷うところです。食事と運動で、インスリンも何も使わずに済むことがいちばん良いのです。

血糖値とHbA1cの目標値

これは厳格な血糖値管理よりも、緩やかな管理の方が良いというアメリカで2008年におこなわれたACCORD試験の結果によるものです。この試験に関しては江部康二先生のブログこちらも)と日経メディカルオンラインの記事をリンクしておきます。江部先生の話の方がわかりやすいですね。

簡単に言ってしまえば、厳格な血糖値管理を続けると低血糖による死亡率が高くなり、そのデメリットが血糖値管理のメリットを上回るということです。

DPP-4阻害剤を使うことも主治医と検討しましたが、このインクレチン関連製剤には、T細胞の活性化を妨げて免疫機能を阻害するという作用があります。またインスリン様成長因子(IGF-1)の分泌に関連し、がんとの関係の深い炎症作用とも関連しています。これらから発がん性が疑われます。実施に動物実験では肝臓癌が優位に増加したと報告されています。身体に膵臓がんの腫瘍が残っているかもしれない癌患者としては、愉快な話ではないです。

(一介のがん患者の考えですから、鵜呑みにしないで、治療には主治医とよく相談してください)

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