サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

がんと炎症(CRP値)

がん患者が血液検査をすると、CRPが高くなることがあります。

「C反応性蛋白(CRP)」は、細胞組織に傷がついたり、臓器や粘膜が炎症したときに、体が防衛反応として発生させるタンパク質です。C反応性蛋白の産生量は炎症反応の強さに相関するため、血清中のC反応性蛋白を定量して炎症反応の指標とすることができます。すなわち炎症が強いほど血清CRP値は高くなる。

身体に傷ができると免疫機能が作用して炎症反応を起こし、傷を修復します。修復が終われば炎症をなくします。炎症は免疫のための必要な機能ですが、がん細胞はいつまでも炎症反応を続けさせます。炎症反応を利用して自分のまわりに血管を作らせ、酸素や栄養分を補給して大きくなります。

炎症があるがん細胞の周囲では、本来はがん細胞を退治するはずの好中球やマクロファージががん細胞の成長を促す役割をするのです。さらに炎症細胞は、ガンと闘う主役のT細胞を寄せ付けず、がんを退治する能力さえも殺してしまいます。

つまり、がん患者の体内では免疫機能が落ちており、その上更に抗がん剤で免疫力を落とし、がん細胞の狡猾な働きによって、わずかに残ったT細胞すらも無力にされるのです。

日本の医者の多くは、このがんと炎症の関係にほとんど関心がないか、あってもそれへの対処方法を話してはくれません。しかし、CRP値などに代表される炎症性サイトカインの血中濃度が高い患者ほど再発しやすく、予後が悪く短命です。

ちなみに、私の血液検査項目にはCRP値はありません。術後の初期からCRP値は高くないので省略したのだろうと思います。

このブログでは何度も「がんと炎症」の関係について書いているので、右上の検索窓に「炎症」と入れて検索してください。いくつかを取り上げるとすれば、

がんと炎症との関係について、私がその重要性を知るようになったのはシュレベールの『がんに効く生活』という書籍でした。「私のがん攻略法」には、これ一冊あればがん治療対策は十分だと書いて紹介しています。また、昨年12月1日の立花隆の『思索ドキュメント がん 生と死の謎に挑む』というNHK番組の紹介記事でも炎症とがんの関係について、『がんに効く生活』の内容を紹介しました。そして、日本では多くの医師がまだ炎症とがんとの関係については知識が乏しい、患者は自分で炎症反応について学習する必要があるとも書きました。「...
がんと炎症の関係 - 残る桜も 散る桜
がん患者が血液検査をすると、CRPが高くなることがあります。「C反応性蛋白(CRP)」は、細胞組織に傷がついたり、臓器や粘膜が炎症したときに、体が防衛反応として発生させるタンパク質です。C反応性蛋白の産生量は炎症反応の強さに相関するため、血清中のC反応性蛋白を定量して炎症反応の指標とすることができます。すなわち炎症が強いほど血清CRP値は高くなる。身体に傷ができると免疫機能が作用して炎症反応を起こし、傷を修復します。修復が終われば炎症をなくします。炎症は免疫のための必要な機能ですが、がん細胞はいつまでも炎...
がんと炎症(CRP値) - 残る桜も 散る桜

さて、それでは不必要な炎症を抑え、CRP値を下げるにはどうすれば良いか。

ファイトケミカルの豊富な機能性食品を摂る
緑茶、キャベツ、生姜、ブロッコリー、ニンニク、大豆、ラズベリー、ブルーベリー、(カカオ分70%以上の)ダーク・チョコレート、ターメリックなど。

●がんを育てる食品は摂らない
精製糖、精白米、精白小麦粉

より詳しくは、先日紹介した伊東恭悟先生の『がんを生きよう―あなたのT細胞が治療の主役です』が参考になります。

今日は別の一冊、ハイマン博士の『あなたの遺伝子に働きかける超代謝ダイエット』から炎症に関する章を紹介します。これはダイエットの本ですが、炎症は肥満とも深い関係があるのですね。

肥満はがんの危険因子です。しかし、体重計ががんを作るわけではない。肥満によって体内に炎症が起き、炎症反応が身体に「闘争か逃走」の準備をさせてエネルギーを蓄える。より多く食べたくなる。そして肥満に。さらに肥満が炎症を・・・と、悪循環を繰り返すのです。

炎症に関する第11章の要点だけを列挙すると、

CRP値に関心を持ちましょう。

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