サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

免疫療法が効かないメカニズム

膵臓がんのニュースに乏しいオンコロですが、新しい情報が届いています。

「免疫チェックポイント療法は、手術、放射線療法、化学療法と並ぶがん治療の柱に新たに加わった」と米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのPadmanee Sharma氏が宣言した2018年の米国がん学会(AACR 2018)プレナリーセッション。それからさらに1年が経過し、併用療法も含めたがん免疫療法が治療の主流に近づいてきた。そしてAACR 2019プレナリーセッション。Cancer Research Institute(CRI)の科学ライターArthur N. Brodsky氏が選んだがん免疫療法に関するトピックスをいくつか紹介する。 転移性膵がんへの免疫療法組み入れ...
がん治療開発の最新動向 AACR 2019 膵がん併用療法/CAR-T療法/がんワクチンなど | ... - がん情報サイト「オンコロ」

米国がん学会(AACR 2019)プレナリーセッションの紹介です。

免疫療法と化学療法の4剤併用で奏効

PD-1を阻害するモノクローナル抗体のニボルマブ(商品名オプジーボ)とCD40経路を活性化するモノクローナル抗体APX005Mを投与された転移性膵がん患者の24例中20例の腫瘍縮小が確認された。

治療抵抗性を付与するゲノム、エピゲノムの仕組み

上の結果は、効果がない場合、免疫システムにおけるエピジェネティック因子を無視することはできないことを示している。

蛋白質発現のスイッチをオン/オフするエピジェネティック因子は、DNAのメチル化やヒストン修飾といった目印を後成的に付与するが、それに伴い、T細胞は疲弊する。

免疫療法による臨床効果は、T細胞の再活性化と腫瘍の大きさによる闘いであり、そのバランスによって決まる。

腫瘍が大きければそれを上回るT細胞が必要である。

治療抵抗性のメカニズムは腫瘍抑制遺伝子p53の変異以外にも、がん細胞表面の抗原提示に関与するβ2ミクログロブリン(b2M)遺伝子の変異など複数あり、患者によって異なる。

したがって、これらの治療抵抗性因子を患者毎に遺伝子解析すれば、より治療効果を高められる可能性がある。

ここでもエピジェネティクスですね。

ASCO 2019もまもなく始まります。今年も膵臓がんに関する重要な発表があるとプレスリリースされています。

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