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地中海食はがんの進行を抑制する

地中海食とは

世界無形文化遺産としても登録されている地中海食(地中海料理)は、がんにも効果があるのではないかと言われてきました。

地中海食は、地中海食ピラミッドにあるように、穀類、野菜・果物類、乳製品、魚介類をバランス良くとり、油脂分は、オリーブオイルを中心に、肉類は少量摂取します。中でも、小麦粉からできているパスタやパンは摂取エネルギーの50~60%程度を占めています。加えて、食物繊維やビタミンが豊富な野菜、ナッツや果物、低飽和脂肪酸であるオリーブオイル、乳製品をほぼ毎日摂取し、肉類を控えて、DHA、EPAを含む魚介類を多く摂取することで、健康寿命の延伸に効果があると考えられています。

地中海食のがん抑制効果 MDアンダーソンがんセンターの研究

シュレベールの『がんに効く生活』にはたくさんの抗がん作用が期待できる食物が紹介されていますが、そのほとんどが地中海食ピラミッドに属する食べ物です。

地中海食は一貫して、がん、心血管疾患、死亡率のリスク低下に関連していることが知られています。

食べ物にはがんの抑制効果があるとしても、それはこれから発生するがんに対してであり、できてしまったがんには効果があるかどうか疑問だとの指摘が続いていました。

できてしまったがんが食事でなんとかなるはずはないと言われてきたけど・・・

MD アンダーソンがんセンターの発表した研究では、研究開始時に地中海式食事法の基本原則により近い食生活をしていた限局性前立腺がん患者ほど、病気の過程で良い結果を得たことが本研究で明らかになりました。

In a study to examine a Mediterranean diet in relation to prostatecancer progression in men on active surveillance, researchers from TheUniversity of Texas MD Anderson Cancer Center found that men withlocalized prostate cancer who reported a baseline dietary pattern thatmore closely follows the key principles of a Mediterranean-style dietfared better over the course of their disease.
Mediterranean diet may decrease risk of prostate cancer progression formen on... - MD Anderson Cancer Center

「今回の研究結果は、植物性食品や魚を多く含み、一価不飽和脂肪をバランスよく含む食事を一貫して摂ることが、早期前立腺がんと診断された男性にとって有益であることを示唆している」とGregg氏は述べた。

医師

食事はがん治療でも基本なんじゃよ

私からの提案

がん治療において食事は大切です。しかし特定の1種類の食べ物によってがんが消えてしまうことなどはありえません。それでも済陽式食事療法やゲルソン療法、コーヒー浣腸など、科学的な根拠のない食事療法に惹かれるがん患者が後を絶ちません。

無理もないことだとは思いますが、本当に食事療法によってがん治療の効果を目指すのであれば、エビデンスに基づいた食事を取り入れるべきです。それは結局はバランスの良い食事ということに尽きます

この研究は予後の良好だと言われる前立腺がんについてのものですが、他の癌種についても同様のことが言えるのではないか。今後の研究が待たれます。

食事療法に関心があるのでしたら、シュレベールの『がんに効く生活』は一読する価値のある本です。

がんに効く生活 克服した医師の自分でできる「統合医療」

ダヴィド・S. シュレベール
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