サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

増感放射線療法コータックが英国で承認され日本に帰ってくるかも

2年前にこのブログで紹介した増感放射線療法のコータック(KORTUC)が、日経メディカルで取り上げられています。

増感放射線療法 コータックあまり聞き慣れない治療法かもしれませんが、乳がんの方にはよく知られているようです。「Web女性自身」6月9日の記事でも紹介されています。高知大学名誉教授で、高知総合リハビリテーション病院院長小川恭弘医師。放射線科医で、日本における乳がんの乳房温存療法の第一人者でもある小川医師が開発した治療法です。乳がんに限らず、固定がんなら適用でき、費用も安くて、副作用も無い。しかもがんが完全消失する例がたくさん出るなど、夢のような治療法だと言います。膵臓がんに適用した例もあります。その...
今日の一冊(115)「免疫療法を超えるがん治療革命」 - 残る桜も 散る桜ー膵臓がんサバイバーの記録

英国の臨床試験で好成績

日経メディカルの記事は、「英王立マーズデン病院で2019年に終了した第1相臨床試験。ここで、放射線治療の常識を覆しかねない結果が得られた。」で書き始められています。

英王立マーズデン病院で2019年に終了した第1相臨床試験。この試験で、放射線治療の常識を覆しかねない結果が得られた。概要はこうだ。腫瘍径が30~164mm(T2が5人、T4が7人)の局所進行・再発乳癌患者12人に対し、リニアックを用いて約3週間の放射線治療を行った(2.75Gy×18回照射と6Gy×6回照射が6例
英国から逆輸入!? 常識覆す放射線増感剤 - 日経メディカル

概要はこうだ。

増感放射線療法 コータック

コータックの作用機序

高知大学名誉教授で、高知総合リハビリテーション病院院長小川恭弘医師。放射線科医で、日本における乳がんの乳房温存療法の第一人者でもある小川医師が開発した治療法です。

その小川恭弘医師が、コータックについて書籍を上梓されています。気にかる方は、この本を購読願います。

免疫療法を超えるがん治療革命

小川 恭弘
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治療をしている医療機関

国内では長崎県島原病院(長崎県島原市)、大阪医科大学付属病院、東京放射線クリニック(東京都江東区)などで、乳癌患者を中心に1000人以上の治療実績がある。

(上記の書籍には、もっとたくさんの医療機関が紹介されていたが、現在はこの3施設だけのようです。)

放射線治療で使われる X 線の弱点は、直径1 cmを超えるような固形がんの内部や特定の癌腫に対して効果が弱まることです。

コータックの治験対象となっている3cmを超えるようながんは、本来緩和目的や姑息的治療の一環としてでしか放射線治療は行われません。

しかも腫瘍組織は抗酸化酵素ペルオキシダーゼも過剰に分泌しており、自身の酸素化を防いでいます。

ここに過酸化水素水を注入することで、抗酸化酵素を失活させ、酸素を発生させるのです。

ヒアルロン酸ナトリウムは局注部位にとどまらせるための基剤として使用。

こうして放射線照射のターゲットとなる腫瘍を再酸素化することで、X線の効果を引き出すとしている。

コータックの材料費は数百円程度です。国内60社ほどに声をかけたと言われていますが、どこも臨床試験を引き受けてくれるところはありませんでした。

ところががん治療薬において費用対効果を重視するイギリスでは、小川氏の研究発表に注目がされました。その結果臨床試験にまでこぎつけたわけです。

低酸素状態で放射線に対する抵抗性の高い膵癌にも適用

「KORTUCの治療対象は乳癌だけではない。低酸素状態で放射線治療に抵抗性の癌のうち、局所注射ができる全ての固形癌が対象になる」(小幡氏)。実際に、米国では「固形癌」を対象としたKORTUCの治験が計画されている。

長崎県島原病院(長崎県島原市)放射線科診療部長の小幡史郎氏は、他科の医師と連携して、下部消化管内視鏡ガイド下での直腸癌への増感剤注入や、上部消化管超音波内視鏡(EUS)ガイド下での膵癌への増感剤注入も経験済みだ。

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