サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

膵臓がんを告知されたときから「死」の準備をしよう

FXT20145今日のタイトル、過激ですか?

ここ最近、膵臓がんで亡くなる方、転移・再発する方が多い、そんな気がします。統計的に言えばばらつきの範囲内なのでしょうが、膵臓がんに罹る人は確実に増えています。

膵臓がんと言われたら、まず「死」の覚悟と準備をした方が良い。ステージⅠでも再発率は高い、再発したら早ければ3ヶ月、半年の余命。ステージⅣbなら、いずれ抗がん剤も効かなくなる。

転移・再発したがんでの抗がん剤は、あくまでも「延命効果」と「症状の緩和」が目的です。治ることはない。これを勘違いしている患者は多い。

私の場合:膵癌の摘出手術が終わり、退院までのベッドの上で考えたことは、「がんで死ぬのも悪くはないかも」だった。「拾った命だから、生かされるままに生きよう」とも思った。

「拾った命だから、のんびり生きる」。このタイトルは2006年にあるところへ書いたものだ。そして、膵臓がんの手術までの検査まで、死を覚悟しながら、今の生き方でよい。このまま普通に生きていくだけ。焦らず、諦めず、必要以上に頑張らず。と思った。直腸がんで、日本記録の保持者半年ぶりの定期検査を先月末受診した。大腸の内視鏡検査だ。その結果を主治医の先生から聞くための診察日だった。「まったく問題なし。この次の検査は一年後でい いね」とうれしいお話。1999年の末に直腸にガンが見つかり、翌2000年1月に手術で切除した...
拾った命だから、のんびり生きる - 残る桜も 散る桜

良寛のこんな詩が思い浮べながら、

騰々(とうとう) 天真に任す
嚢中(のうちゅう) 三升の米
炉辺 一束の薪
誰か問わん 迷悟の跡
何ぞ知らん 名利の塵
夜雨 草庵の裡
雙脚(そうきゃく) 等閑(とうかん)に伸ばす

ベッドで細くなった足を伸ばして考えた。
さて、俺が死んだあとの妻の生活をどうするか。ハウスメーカー数社に電話して「自宅を賃貸マンションに建替える。退院したらすぐにプランを持って来い」と告げた。

退院した翌年には、再発したら(多分再発するだろうし)余命は数ヶ月だから、元気なうちにと、田舎の墓じまいをした。骨壺はゆうパックで送って、浅草の妻の菩提寺に一緒にした。

ちなみに、骨壺は宅配便・宅急便では受付拒否されますが、ゆうパックは可能です。「瀬戸物」と書いて送りました。

こうして死ぬための計画を着々と進めた。

「死」を覚悟し準備することは、「希望」を持たないということではない。

統計的に言えば、膵臓がんはまず助からない。しかし、生存率曲線の右端は恐竜の尻尾のように伸びている。ゼロになっていない。つまり、例外的患者は常にいるのだ。

どうすればその例外的患者になることができるのか。確かな方法はありません。しかし、やるべきこと、可能性がありできることはたくさんある。

このブログには、そうした試行錯誤と実行してきたこと、死に対する考え方なども綴ってきた。

間違っていなかったと思う。今こうして完治しているのは、実行してきた結果なのかどうかは分からない。「成り行き」だ。成り行きだから、それは向こうからやってくるのであって、つかみ取るものではない。

サプリメント、足湯に玉川温泉、食事療法、代替医療。自分が「これは」と思えるものをやった上で、「さぁ、やるべきことはやった。あとはお任せ」と言える状態になったときが、身体の免疫力も一番高くなっている(たぶん)。そして、ふとした気まぐれで恐竜の尻尾になっている。

そんなものではないのかな。奇跡的治癒や例外的患者になるということは。

だから、膵臓がんと言われたら、死ぬ覚悟と準備をし、がんで死ぬのも悪くはないね、いずれやってくることだしと考え、しかし、希望を持ってやるべきことをやる。でも期待はせずに、その結果を受入れる。そんな「成り行き任せ」の患者に、もちろん全員ではないが、治癒が訪れるのだと思うよ。

一日中がんのことばかりを考えている患者からは、がんは逃げていかないよ。だって居心地が良いのだから。

シュレベールは『がんに効く生活―克服した医師の自分でできる「統合医療」』で次のように言っている。

私たちの貴重な白血球を強化できるものはすべて、腫瘍の成長を阻むこともできる、という結論である。要するに、免疫細胞を刺激し、(食事療法、運動、感情のコントロールによって)炎症と闘い、血管新生と闘うことで、がんが増殖できる環境をなくすことができる。従来の薬による治療と平行して、誰でも身体の潜在能力を活性化することができるのだ。そのために支払うべき”代償”は、より意識的でバランスがとれた生活、つまり、より美しい人生を送ることなのである。

がんであろうがなかろうが、今からでも遅くはないから、より美しいと言える人生を送るようにしたいものだ。

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