相当以前に見た「ドクターG」の感想です。この程度の診断で自慢をするなんて、なんだかなぁ?膵臓がんの発見は、こうして遅れていくんですね。
吐き気がある60歳代の女性。病名の診断がつかない。
腹部CTで十二指腸が狭窄していることがわかる。
結局は膵臓がんだったのだが、十二指腸が狭窄するほどの腫瘍がCT画像に写らないとは考えづらいと思うんだが? 単純CTだったからだね。造影CTなら腫瘍が見えたはずですね。だから、膵臓がんの可能性も考えて造影CTをやるべきではなかったでしょうか。
超音波検査で膵臓付近に黒い異常部分がある。これ、肥大化したリンパ節ですね。
この時点でなぜ膵臓の超音波を見せないのだろう? 私でもこの時点で膵臓がんを疑うよね。
確定診断のために胃カメラ(内視鏡)を考えるが、十二指腸まで届かずに腫瘍の細胞が取れない。結局は大腸内視鏡を使って細胞診をして確定診断となるのですが、ずいぶんと時間がかかったのですね。
大腸内視鏡を試す前に、造影CTかMRIをやるべきではなかったですか?それですい臓がんと確定できると思います。大腸内視鏡を飲むのは辛かったでしょうね。
結局は膵臓がんから転移したリンパ節が肥大化して、十二指腸を圧迫。そのために閉塞して嘔吐をするようになったわけです。リンパ節に転移するほどの膵臓がんが造影CTで判断できないとは考えづらい。
腫瘍が「良性か悪性か?」もナンセンス。リンパ節に転移して肥大させるほどの腫瘍が良性であるはずがないでしょ。
なんだかなぁ? という感じを持った番組でしたね。肝胆膵の専門医ならもっと迅速に診断できますよ。
転移した肝臓から細胞診をして確定診断
私の友人のこんな例もありました。都内西部のある病院で診断の結果、やはり十二指腸付近に影があり、肝臓にもたくさんの転移したとみられる大きな影がありました。確定診断をしようとするが、あとわずかのところで十二指腸の腫瘍部に届かず、細胞が取れない。これで何週間も無駄な時間を費やしました。
それでがん専門病院に連れて行ったら、「肝臓から細胞を取れば良いですよ」と言われたのです。膵臓がんが肝臓に転移していても、肝臓のがん細胞は膵臓がんの細胞です。これを取れば確定診断ができるのです。
膵臓がんの症例の少ない病院では、こんな基礎的なことも頭に浮かばないようです。
膵臓がんはハイボリュームセンターで
膵臓がんは診断にしろ手術にしろ、難易度の高いがんです。膵臓がんの症例数の多いハイボリュームセンターで診断や手術をすべきでしょう。
症例数の多い病院を探す方法は、こちらで紹介しています。
膵臓がんに罹りやすい人膵臓がんになりやすいのは、 膵臓がんの家族歴 喫煙者 BMI<体重kg÷(身長m×身長m)>が高い 糖尿病 慢性膵炎 膵のう胞(膵臓の内部や周囲にできる袋)米国の研究結果では、両親、兄弟姉妹、子に膵臓がん経験者が2人いる人が膵臓がんになるリスクは、家族に患者がいない人の6.8倍です。3人以上いる人では17倍にもなります。乳房と卵巣の予防切除をしたことで注目されたアンジェリーナ・ジョリーさんのような「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」の人は、膵臓がんも発症しやすいことが分かっています。糖尿病の... がん:失敗しない病院の選び方 - 残る桜も 散る桜 |