サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

膵臓がんにも有効なBNCT機器の開発

ホウ素中性子捕獲療法

ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)による臨床試験が国立がん研究センターなどで始まっています。従来の原子炉からの中性子を利用していたものから、中性子源を直線加速器に変えることで、病院内に施設を設置することが可能になったのです。

今朝のNHKニュースでもやっていましたが、国立がん研究センターのホウ素中性子捕獲療法(BNCT)の施設が、原子力規制庁の審査に合格して公開されました。プレスリリース:世界初となるリチウムターゲットの病院設置型BNCTシステム2017年3月ごろをメドに皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)などを対象に臨床試験を始める計画だそうです。しかし、BNCTは膵臓がんには適用できないでしょう。BNCTの原理は、患者にホウ素(10B)を含む薬剤を投与し、がん細胞に取り込ませたうえ、加速器を利用して熱中性子を照射する。ホウ素(10B)は...
ホウ素中性子捕獲療法は膵臓がんには適用できない - 残る桜も 散る桜
BIGLOBEニュースなどに、プレジデント社の最新の放射線治療装置の情報が掲載されています。ただ、これは2013年6月の特集記事。どうして今頃ニュースに?と思うのですが・・・。ま、最新の情報を添付するということで再掲します。「化学」とのコラボで、がん種に応じた放射線療法へIMRTIMRTの「縦・横・斜め」三次元照射に「時間軸」を加えた四次元照射をリードするのは、京都大学の平岡真寛教授のグループと三菱重工が共同開発した「動体追尾放射線治療システム」だ。治療中の呼吸運動で動いてしまう肺がんや肝臓がんの動きを「追尾」...
IMRT:次のターゲットは膵臓がん - 残る桜も 散る桜

しかし、現状のBNCT機器では中性子が体表面から7cm程度までしか届かず、膵臓がんは対象になりませんでした。

先日の地域版ニュースで、

電子部品大手のローム(右京区)は、次世代のがん治療法として期待される「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」の研究治療施設を、京都府立医科大(上京区)に寄付すると発表した。

と報じられています。

深部の腫瘍にも適用できる

この装置はすごいですね。なにしろ小さいから、世界初の中性子線の多門照射が可能となり、治療対象を体表面から25cm程度まで拡大できるので、膵臓がんの治療も可能になります。

ホウ素を取りこませたがん細胞に中性子を充てて、出てくるα線によってがん細胞だけを殺すという仕組みです。いわばトロイの木馬法ですね。これならがん幹細胞もやっつけられるのではないでしょうか。

がん研究センターの中性子発生装置と(株)ロームの中性子発生装置を比較すると大きさの違いが一目瞭然です。

がん研究センターの中性子発生源(直線加速器):建物の1,2階部分を吹き抜けで設置している。

(株)ロームが開発中の中性子発生源:SiC加速器中性子源・BNCT用実機

小さいので、患者を囲むように多数配置することができ(多門照射)、身体の奥深くまで中性子を照射することができます。

新たに開発するSiC-BNCTの中性子線照射装置イメージ図

 

SiC-BNCTによるがん治療の特長

とのことですから、大いに期待しています。

SiC(シリコンカーバイド:炭化ケイ素)は、絶縁破壊電界強度がSiの10倍、バンドギャップがSiの3倍と優れているだけでなく、デバイス作製に必要なp型, n型の制御が広い範囲で可能であることなどから、Siの限界を超えるパワーデバイス用材料として期待されています。この特徴を活かして、SiC-MOSFETアレイによる高電圧半導体スイッチモジュールを搭載した高電圧パルス発生器を製作し、中性子発生装置の発生源となる。

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