サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

膵臓がん長期生存患者となるためには

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膵臓がん長期生存患者にはネオアンチゲンとそれに反応するリンパ球が多い

中村祐輔先生のブログに表題の記事があがっています。

ネオアンチゲンや専門用語が多いので、すんなりと理解できないですが、要点をかみ砕いて書いてみます。

のです。

がん細胞の表面に出ている特殊な目印がネオアンチゲン(がん特異抗原)で、正常な細胞には発現しておらず、がん細胞だけにみられます。
CD8は、サプレッサーキラーT細胞の表面にある糖蛋白でできた抗原(目印)で、これを掲げているT細胞が分化して、がんを攻撃するCTL(キラーT細胞)ができる。

考えてみればあたりまえのことで、敵の居場所と規模を知っており、味方が多いほど戦に勝つ可能性が高いのです。

抗がん剤で免疫力を下げた状態(味方を攻撃する)で、免疫療法をやっても効果が得られるはずもありません。免疫療法は告知の直後にやるべき治療法です。

リンパ球が多いだけでは不十分で、その中にがんを攻撃する能力を持ったリンパ球がどれほどあるかが重要です。

リンパ球の3つの主要な種類は、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)で、その中でも細胞障害性T細胞、(がんの殺しやと言われる)NK細胞の数が問題です。

膵臓がん患者の予後は分からない

ネオアンチゲン反応性リンパ球が増えるかどうかは現時点では「神のみぞ知る」状態だ。ネオアンチゲンはT細胞受容体によって認識されるのだが、われわれの免疫系は多様性が桁外れに高く、個人個人によって持っているT細胞受容体は、全く異なると言ってもいいくらい、大きく異なっている。したがって、ネオアンチゲンに反応するリンパ球が患者さんの体内に存在するかどうかは、予測できない。

つまり、現時点では個々の膵臓がん患者の予後は分かりません。それじゃ現役の膵臓がん患者は打つ手がないのか?

そんなことはありません。運動や瞑想で遺伝子の発現状態を変えることができると研究報告されています。

本日7日付の日経新聞「今どき健康学」に、運動がASC遺伝子のメチル化と関係していて、運動すればメチル化率が高くなり、若返り効果があると紹介されている。またASC遺伝子は細胞のアポトーシス(自殺)に関係している遺伝子で、がん化とも関係している。日経の記事は有料なので見ることができないが、このコラムの元となったと思われる記事が、1月3日の信濃毎日新聞に「運動で遺伝子の働き変化 信大教授ら解明」と題して掲載されている。適度な運動による健康維持効果には遺伝子の働きの変化が関わっていることが、信大大学院医学系...
運動で、がん細胞が消える - 残る桜も 散る桜

夜更かしは遺伝子の働きを乱すから、規則正しい睡眠が大事です。

大西睦子さんの「夜更かしは遺伝子の働きを乱す!」体温、血圧などのリズムを調整している体内時計が乱れが、がんや糖尿病などの疾患のリスクに関係しているようです。そして新しい研究によると、睡眠のリズムの乱れが遺伝子の発現パターンを変え、タンパク質の合成メカニズムを壊してしまう。各被験者の遺伝子全て(ゲノム、全遺伝情報)を対象とした解析を行ったところ、被験者が「睡眠ホルモン」であるメラトニンの分泌に従って眠っている場合には、1502もの転写産物(全遺伝子の6.4%にあたる1396遺伝子を解析)が、概日リズムに沿...
規則正しい睡眠でがんを治す - 残る桜も 散る桜

リンパ球のなかでも目印がなくてもがん細胞を認識して攻撃するNK細胞を増やすことができます。笑うことでもNK細胞活性が高くなります。

キラー・ストレスをなくすことも大事です。

NK細胞はがんとの闘いの最前線にいる免疫細胞ですが、NK細胞も脳と密接に情報交換をし、脳の状態=心のありように大きく影響を受けているのです。心のありようが、局所再発や転移にも影響を与えていると考えても良いと思います。(今日の一冊(62)『がんでも、なぜか長生きする人の「心」の共通点』より)

がんを攻撃するリンパ球を増やす食品としては、タイミング良く金魚さんがブログに書いています。
NK細胞活性

影響のある食品成分として分析されてるのは
ゲニステイン(大豆大豆)
クルクミン(ウコン)
βカロチン(緑黄色野菜)
ビタミンD・E(ナッツ類など)
DHA・EPA(魚など)
ケルセチン(玉ねぎ玉ねぎ)
ポリフェノール(緑茶や葡萄など)
アシタキサンチン(甲殻類)
普通に健康に大事って言われるものばかり

そして、シュレベールの『がんに効く生活』にほとんど網羅されている。これがあれば十分だと。

Nature の元記事 日本語要約

膵管腺がんは、5年を超えて生存する患者が7%未満の致死的ながんである。少数の長期生存者に見られる例外的な結果はT細胞免疫と関連付けられてきたが、関与する抗原は知られていない。今回我々は、遺伝学的、免疫組織化学的および転写レベルの免疫プロファイリング、計算生物物理、および機能分析を用いて、膵臓がんの長期生存者におけるT細胞抗原を特定した。我々は、全エキソーム塩基配列解読法とin silicoでのネオ
膵臓がんの長期生存者における独特なネオアンチゲンの質の特定 - 
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