オリゴメタとは
がんが他の臓器に転移をしている場合、仮に転移した腫瘍を手術で切除したとしても、すでにがん細胞が全身に回っているため、次から次へともぐらたたきのように新しい転移巣が現れてきます。
ですから手術は無駄、手術はしても長生きはできないということで、抗がん剤治療しか選択肢がありませんでした。これをがんの「全身転移説」と言います。
しかし近年、 臓器への転移が2から3個であれば、切除して長生きすることができる、そういった症例が増えてきました。これをがんのオリゴメタ転移(少数転位説)と言います。
オリゴメタであれば、手術をすることによって余命を伸ばすことができ、また10年以上の長期にわたって生存することも可能になってきます。完治する可能性もゼロではありません。
膵臓がんのステージ4で手術ができないと言われても、もしかするとオリゴメタなのかもしれません。膵臓がんでは約3割程度がオリゴメタではないかという説もあります。
私のこのブログでも、3年前からオリゴメタについて紹介をしてきました。
膵臓がんのオリゴメタ膵臓がんにもオリゴメタ説は考えられるのでしょうか。考えられるとすれば、転移・再発した膵臓がんでも治癒の可能性があります。オリゴメタ説(少数転移説)正確には(オリゴメタスタシス(oligometastasis)、少数転移するタイプの腫瘍をオリゴ転移型と言います。膵がんは予後が悪いがんの筆頭だ。しかし中には遠隔転移しにくいがんがいる可能性が強まった。こうしたタイプの膵がんには「その生物学的な特性に応じた独自の治療法が必要」という声があがり始めた。「非手術適応症例には化学療法」だけでよいのか。... がんのオリゴメタ説 - 残る桜も 散る桜ー膵臓がんサバイバーの記録 |
オリゴメタ説(小数転移説)とは標準治療によるがん治療では、転移が1ヵ所でもあったら全身に無数に転移しているという〝全身転移説〟をとっている。『がん情報サービス』でも、この立場を取っています。したがって肝臓や肺などに一ヶ所でも遠隔転移があれば手術はできないと言われ、後は抗がん剤治療で延命を図るだけです。しかし抗がん剤はやがて耐性ができて使えなくなる。すべての抗がん剤に耐性ができたら「あとは緩和」治療です。しかし、1ヶ所の転移も10ヶ所の転移も同じステージ4というのはおかしくありませんか?「オリゴ... オリゴメタ説なら転移したがんも治療できる - 残る桜も 散る桜 |
オリゴメタに関する佐藤先生の動画
次回の講演をお願いしている佐藤典宏先生が YouTube でオリゴメタについて解説をされています。膵臓がんのオリゴメタについても言及されていますよ。
- 膵臓がんのオリゴメタについての最近の研究を紹介
- 膵臓がんにもオリゴメタもあるということで、切除する例が増えてきています。
- 特に肺に転移した症例ではオリゴメタが比較的多いということが分かってきました。
- 膵臓がんの肺転移に対して切除した症例を集めて検討したところ、生存期間の中央値が51ヶ月から121ヶ月という風になっていました。
- 四年以上、なかでも長い方では10年以上生存する場合もあるという結果でした。
膵臓がんで手術ができない。しかし、もしかしたらオリゴメタかもしれないと考えたとき、どうすればよいのか、そうした助言もされています。
前回の『膵臓がん患者と家族の集い』Web交流会でもこのオリゴメタについて私が少し紹介したことでした。
次回の講演は、この佐藤典宏先生
9月21日は、佐藤先生のWeb講演会です。あなたもぜひZoomで参加してください。